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バトル-61 [高校生バトル-07]

「真子ちゃんの高校生活はどう?」
「私自身は充実していますが…。
 一郎兄さん、私が入学した頃と今を比べると、高校生バトルの展開によって良い方向に変わりつつ有る生徒がそれなりにいまして。
 私が高校生バトル関係者なので余計そう感じるのかも知れませんが、一緒に入学した人達も高校生バトルに取り組む様になってから学習に対する考え方が変わって来ています。
 中学生の頃を知っている子は、自分が将来と向き合い始めたのは私達のYouTubeが切っ掛けだと話してくれました。
 先輩方にも、私達、義兄弟姉妹の目指して来たことが少しずつ浸透していると感じさせてくれることがしばしば有ります、中には、三郎くんに憧れてるだけの女子もいますけどね。」
「俺達の活動が成果を上げてると実感してるのか?」
「はい。」
「そういう声は届いていたが、実際に自分の後輩がそう思ってくれてるのは嬉しいものだな。
 ねえ、学校でも三郎と話したりしてるの?」
「学年が違うので控えめにしていますが、私達の事は学校中に知れ渡っていますので…。」
「やっかみとかは?」
「有りました、でも、意地悪な子には友達が、私に変な事をしたらYouTubeのネタになると、穏やかに脅しを掛けてくれまして。」
「はは、多少やらかしてくれた方が楽しかったのでは?」
「いえいえ、平和が何よりですよ。」
「真子ちゃんは可愛いから男の子に人気じゃないの?」
「一年生の頃は少し有りましたが、三郎くんが入学してからは落ち着きました、何でも観賞するだけの存在になったのだそうで、YouTubeの台本に、私が三郎くんに向かって好きって言うシーンを増やして貰った成果だと思っています。
 ただ…、友人は、そのシーンを、脳内で三郎くんと自分を変換してる変態気味の奴がいるから気を付ける様にと言うのです、一郎兄さんはどう思います?」
「う~ん、妄想する自由と権利は有るのかな、実害が無いのなら気にしなくて良いだろう、三郎には話したの?」
「はい、でも自分にはそんな必要が無いから良く分からないと。」
「まあ、そうだろうな…、でもね、梁山泊の企画でも男女間のトラブルは起きると思ってる、俺達みたいに特定の相手がいれば良いのだろうけど、そうでない男女混合の義兄弟姉妹だと、その絆が深くなるほど悩む人が出て来るのは自然だと思うんだ。」
「男女間で友情は成立するのか、と言う命題も有り、仕方ない事ですよね。」
「まあな、人間の本能に由来する事でも有るし、義兄弟姉妹だからと言って…。
 真子ちゃんは、三郎に隠しごとしてる?」
「そうですね、聞かれて無いから話してないと言うことは有るかも知れませんが、敢えて隠してることは有りません、私自身が気付いてなかったことを教えて貰うぐらいで…。」
「へ~、どんなこと?」
「性格とか癖です。」
「そこを直して欲しいとか?」
「いいえ、そんなことは一度も有りません、そこが可愛いとか…、まあ、自分で考え気を付ける様にしてることは有りますが。」
「真子ちゃんの目から見て三郎の欠点は?」
「完璧で有ろうと思い過ぎないでって言ってます。
 それを言い始めてから、私と二人だけの時はリラックスしてくれる様になってくれたのですよ、明らかに。」
「そうか…、春子はそこまで見越して三人での学習会を始めたのかもな。
 三郎のさり気ない優しさの裏は、歳の離れた兄では分からなくてね。」
「優しく育てられたから人に優しくするのは当たり前なのだとか。
 でも、人に気を配るのは三郎くん自身が気付かない内に疲れるのではないかと思い、私は自分の気持ちを分かり易く話すと彼に宣言しました。」
「確かに三郎にとっては、その方が楽だろうね。」
「そんな話をしてた頃にはすでに私の事は把握済だったのですけどね、気が付いたら特に言わなくても私が何を考えてるのか分かっていて、私のことが好きで良く見てたら何となく分かる様になったと言ってくれたのですよ、どう考えても最高の恋人ですよね。」
「だ、だろうな。」
「一郎兄さんもそんな感じなのですか?」
「いや~、私だって、友香の事はそれなりにだな…、夫婦の会話は少なくないから…。」
「あっ、一郎兄さん達が夫婦喧嘩してるみたいと言うのは本当だったのですね。」
「だ、誰がそんなこと…。」
「三郎くんは少し悲しそうでしたよ。」
「う~ん、どうして分かったのだろう…。」
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