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バトル-62 [高校生バトル-07]

「真子ちゃん、多少喧嘩するぐらいでないと夫婦は長続きしないと聞いたことはないかい?」
「喧嘩するほど仲が良いとかですね。」
「三郎とは喧嘩しないの?」
「しないですね~、嫌な事が有っても三郎くんの顔を見たらどうでも良くなりますし…、初めて出会ってから、もう二年ぐらいになりますが、今まで私が嫌な気持ちになる言葉を三郎くんの口から聞いた記憶が有りません。
 私は姉とよく口喧嘩をしていたのですが、何故かそれも無くなって来ました。」
「心の変化かな…。」
「はい…、私達のテーマを考えたら、喧嘩や争いと行った事にも、もっと踏み込んで考えて行かなくてはならないのでしょうか?」
「そうだな…、それによって争いごとを減らせたら良いのだが…。
 人は何故喧嘩をするのか、って所から見直して…、ねえ、それを梁山泊バトルで意見交換して行くテーマにするって、どうかな?」
「あっ、そうですね、参加チーム内でも揉め事が起こる可能性は有るのですから、揉め事に対する対処法を皆で共有して行けたら平和な組織ばかりになるかもです。
 喧嘩を科学的に分析して行くのですね。」
「人の心理に関わる事だから簡単では無いが、各チームの自己主張と並行して研究し討論して行けたら面白そうだ、ただ…、こう言うのって真面目に考えると互いに不自然な感じに…、真子ちゃんは三郎と沢山話し合うことで、とても仲良くなったのでしょ、そんなことはなかった?」
「そうですね、始めの内は確かに少しぎこちなかったです。
 でも、直ぐに慣れて…。
 人間の本能的な感情は理屈ではないのだから、変に取り繕う必要はなく、二人の間では喜怒哀楽を隠さないでいようって。
 まあ二人の間で喜怒哀楽の怒と哀はかなり控えめですが。」
「互いにと言うよりは第三者に対しての感情ということかな?」
「はい。
 兄さん、この『人は何故喧嘩をするのか』というテーマに関しては、敢えて先生方や私達のチームがリードしない方が良いですよね。」
「うん、そうだな、一歩引いて見させて貰う、そんな立場が良いと思う、特に、スタートは高校生中心の高校生バトルだから、参加者の意見を最大限に尊重したい、チーム間の話し合いがかみ合わない様な時に少しだけアドバイスするぐらいかな。」
「後から大学生や大人達にも広げて行く予定ですが、世代間で意識の差が大きかったら、運営スタッフの出番が多くなるのでしょうか。」
「それは充分考えられることだね、でも、その食い違いをきっかけにして、議論を深めて行けたら良いと思うよ、同世代だけでは視野が狭くなる恐れが有るだろ。」
「ですね、でも…、頑固親父とかいませんか?」
「いるだろうが、そんな輩は浮いてしまう様にして行かないと俺達のやってる事は先に進めない、まあ、自己主張ばかりで他者の意見に耳を傾けない人は、梁山泊バトルでは敗北者だよ。」
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