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バトル-63 [高校生バトル-07]

「春子、梁山泊バトルの展開を夢バトルに関係づけて始めたのは正解だったな。」
「そうね、夢の様に素敵な組織が梁山泊バトルの最終目標、そこに至る一つのステップとして考えて貰え、『人は何故喧嘩をするのか』というテーマから、チーム内の人間関係、意見対立についての分析や問題発生時の解決策を模索、寄せられてるコメントを見ると、梁山泊バトルの趣旨は上手く伝わってるみたいね、このテーマを示して無かったら、バトルと言っても本質的な部分は協力し合い互いに高め合うことを目的としているという事が理解されにくかったと思うわ。」
「それは、春子の文と、趣旨説明の番組が良かったからだろ。」
「でも『人は何故喧嘩をするのか』というテーマは高校生にとって面白いテーマ、さすが一郎兄さんね。」
「いや、切っ掛けは真子ちゃんなんだ。」
「そうなの、でね、喧嘩をするなと言われるより『人は何故喧嘩をするのか』と問われた方が効果的で、人間同士の揉め事を広く考える切っ掛けになったと言うコメントが有り、それに同意する人が多数、皆さん単なる喧嘩と捉えて無くて様々な対立をイメージしてくれてるの、それだけでも、新たな企画を立ち上げて良かったと思うわ。」
「そうは言っても、実際、チーム内での揉め事は起こりうることだろ。」
「でしょうね、それでも企画のスタートにこのテーマを掲げた事で…、問題が起こる前に解決策を考えておける、それは悪くないことでしょ。
 義兄弟で無く義兄弟姉妹、チーム内の絆が強くなると友情だけでは済まず、恋愛感情が芽生えるのは必然、だから三角関係や片思いの可能性は多いに有り、悩む人多発かも知れない、感情が先に立つ話しだから、科学的に分析と言う気分にはならないだろうし簡単には解決出来ない、って真子ちゃんが起こりうる事として話してくれたでしょ。」
「反響が有ったのか?」
「恋愛は高校生にとって大きな関心事ですからね。」
「う~ん、答えはそれぞれが悩みながら見つけて行くしかなさそうだがな。」
「そうね、他人の事例を参考にとはなりにくいだろうし。」
「そうなる前に…、春子は大輔以外の男子から告白された事はないのか?」
「少しは有ったけど…、同級生からしてみれば、年上で社長の息子である大輔さんに勝てるとは思えないでしょ。」
「だろうな、でも、それで良かったのか?」
「大輔さんとは長年付き合って来て婚約中なのよ、彼の考えてることは一郎兄さん以上に分かり易くて気楽、私にとっては一番の存在…、子どもが出来たら気持ちが変わると言わてるけど、それを今から心配するのもね。」
「大輔とは喧嘩してなさそうだな。」
「喧嘩か…、大輔さんと喧嘩なんて考えた事無かった、一度してみようかな…、でも喧嘩をする理由が思い浮かばないわ。
 兄さん達には少しいたずらをして怒られる事が有ったけど、大輔さんにいたずらしようとは思わなかったし。」
「それは微妙だな、兄妹だからいたずらが出来るほど心を許していたと考えれば良いのか?」
「ふふ、兄さん達には好きだからいたずらをした、大輔さんには好きだからいたずらをしなかった、それだけの事よ。」
「なんか釈然としないな。」
「好きにも色々有るのよ、三郎に対する私の想いは母性に近いものだとか。
 ただね、三郎があれだけ性格の良い美形で無かったらどうなのかと考えてしまうのよ。
 もし、弟が犯罪に走りそうな子だったり、生まれながらにハンディを背負っていたらどうだったのだろうとか。」
「そうだな…、もし、生まれて来た我が子にハンディが有ったら、ということは友香とも話し合ってる、勿論五体満足に生まれて欲しいが。」
「結論は出たの?」
「出ないよ、まあ、健康に生まれたとしても事故に遭ってしまうリスクも有る、そう言ったことは経験してみないと分からないのだろうな。」
「もしもの時は最大限に協力し合うのが私達の義兄弟姉妹、子どもに関してもでしょ。
 お義父さまは、私達に子どもが生まれ、ある程度成長したら養子を受け入れて行くと言う話を受け止めて下さったわよ。
 義兄弟姉妹の一員になるのだから、まずは私達の子どもだけど、そこから広く子育てや教育環境の充実を考えて行きたいって。
 大輔さんとは社員の子ども達にも目を向けて行きたいと話されていたわ。
 まずは欲張らず、より身近な存在の幸せから考えて行こうってね。」
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