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バトル-55 [高校生バトル-06]

「次郎兄さん、合併に合わせての組織改編は順調に進んでるの?」
「ああ、各部署のリーダーを中心に春休み中からしっかり準備して来たのは知ってるだろ。」
「でも、後から出来たサポートカンパニーが本家を吸収するみたいな形で良かったのかな?」
「問題ないさ、三郎達が様々な形で高校生バトルに貢献していることは誰もが知ってること。
 高校生バトルの参加者には三郎だけでなく真子ちゃんや春子のファンが多くて、グッズの売り上げも伸びてる、三郎メインのCMが流れ始めたが思惑通り話題になっていて、それに乗っかる形で他のスポンサー企業もうちのタイアップ企画に乗ってくれてるんだ。
 企業としての売り上げが右肩上がりなのは三郎会長の力が大きいと皆が思ってるよ。」
「でもさ、正社員、学生社員共に増えてるから、社員の不満を全部受け止められているのか、少し不安でさ。」
「そうだな、一度確認して置く必要が有るかも知れないね、合併のタイミングで会長から呼びかけてくれるか?」
「それは社長からで良くない?」
「いや、社長発は実務的な話しにし、こう言う内容は三郎からの方が良いと思う、役割分担と言うか、社員の精神的な支柱は三郎、そう言う組織として結束を強めて来たからな。」
「う~ん、そんな話はよく聞かされるけど、実感が湧かないよ。」
「いやいや、社員が大輔や俺に対する態度と三郎に対する態度は大きく違う、俺達にはため口なのに三郎には敬語って奴も少なくないだろ。」
「困るんだよね、偉そうにしたくないから、どう応えて良いのか…。」
「その、少し困った表情が可愛いとか言ってたぞ、写真集を出す話は聞いたか?」
「うん、でも出して売れるのかな?」
「試す価値は有る、コンセプトを…、みんなの弟、真子ちゃんとの皆がうらやむカップル、三郎による温泉紹介にして需要を探るんだ。」
「えっ、変な方向に進んでない?」
「温泉バージョンの購入層が気になるのだろうが、企画を出してる連中は絶対黒字に出来ると話してたよ、三郎の知的な面を前面に出し、その温泉にまつわる話や効能についての解説とか、単なる写真集では無く、少し寂れた温泉を中心に紹介して行けば地方の活性化にも繋がる、真子ちゃんや春子は出しにくいから一人で頑張ってな。」
「え~、もう決定事項なの?」
「温泉旅行はな、家族や関係者が同行するが三郎は撮影に集中してくれ。」
「真子ちゃんも?」
「ああ、ご家族全員を招待する方向で麻衣が話を進めているよ、いずれ親戚になるのだからな。」
「都会では有り得ない人間関係の構築実験、その一環でも有るという事?」
「まあな、一人の人間が普通に関わる人には限りが有るだろ、その中でも自然と優先順位が付いて行くのだが…、全く赤の他人だった人が真子ちゃんを介して遠い親戚になって行くのかも知れない、そんな人間関係を追って行くのは面白いだろ。」
「あっ、春子姉さんが考えそうなことだね…。」
「真子ちゃんは、もう他人ではない、俺の義妹なのだからな。」
「温泉旅行自体は、真子ちゃん的にも悪くないと思うのだけど…。」
「何か不満なのか?」
「あのさ、自分の入浴シーンを見た人たちが何を思うのか、色々微妙でしょ。」
「まあ、細かい事は気にするな、細かい事を気にする奴は大物に成れないと、何処かの誰かが言ってたぞ。」
「はぁ~、どっかの誰かがね…。」
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