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Lento 7,TV収録の日 ブログトップ
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まずは食事-2 [Lento 7,TV収録の日]

グラスを置きながら祥子。
「さて、返事は早い方が良いんだけどどうかしら?」
「そうよね、ちょっと家に電話するわ。」
「私も。」
真子と和音は席を離れる。

すみれがつぶやく。
「い~な~私も行きたいな。」
「行けば。」
「そんな簡単には行けないわよ。」
「簡単よ、パスポート持ってる?」
「はい。」
「旅費は、真子のギャラから出せるから問題ないわよ。」
「はは、真子が聞いたら怒るわよ。」
「ギャラが高くても税金をたくさん払うだけだから、ある程度は必要経費として使っていけばいいのよ。
家族の旅費は必要経費とならないけど、私たちLentoの人間はスタッフとして仕事として同行する訳ですからね。」
「でも、ほんとに行ったら他のスタッフから白い目で見られそうだわ。」
「そうね、1月までにランクアップして三段になりなさい。」
「そんな簡単じゃないですよ。」
「なんなら六段まで登りつめた私がレクチャーしてあげようか?」
「そうなんですよね、今まで5人しかいないという、時給二千円のLentoスタッフのお一人…。」
「ポイントを掴めば簡単なの、常にお客様の様子を見ててお客様が望んでいることを見つけることと、お客様と仲良くなること、それだけよ。」
「簡単に言うけど…。」
「簡単だと思うけどな、お客様と接する時は聞き手になっていればいいの、誰だって自分の話を聞いて欲しいものなのよ。
お客様の話の中から興味を持ったことについて少し質問できるようになれば、三段なんてすぐね、お客様が帰られる時間帯に少しがんばってみて。」
「はい、がんばってみます。」

そこへ真子が戻ってくる。
「何、話してたの?」
「ちょっと仕事の話よ。」
とすみれ。
「祥子さん、うちはオーケーよ、母さんも行きたいって言ってたから一緒に行こうって言っておいたわ。
そうだ、すみれも行く?」
「えっ?」
「費用の心配はいらないわよ、全部私が持つから。」
「はは~、お嬢様一生仕えさせていただきまする~。」
「お姫様ごっこは禁止だからね。」
「でも身の回りの世話はさせてね。」
「そうね、でも私より和音をよろしくね。」
「うん。」

和音も戻る。
「祥子さん、父さんや母さんも一緒に行っていいかな、もちろん絵美も、ショパンはどうしよう。」
「ショパン以外は何の問題もないわよ、猫を連れ歩くのは…、ちょっと彼にとっても負担が大きいかもね。
基本オーケーな訳ね。」
「はい、父さんも、ちょうど仕事が暇な時期だから有給とって行きたいって。」
「ならカールに返事して良いわね。」
「はい。」
「じゃあちょっと電話してくる、え~と、もうとっくに起きてる時間だから問題ないわね。」

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まずは食事-3 [Lento 7,TV収録の日]

祥子が席を外した後、食事は少しづつ運ばれている、それをつまみながら会話が進む。

「なんか大切な話が簡単に済んでしまった気がするけど。」と、すみれ。
「祥子さん動く時は早いの、でも私たちに持ちかける前に、色々調整している筈だから心配いらないのよ。」真子が説明する。
「ザルツブルグは前から行ってみたかったの、家族旅行の話もしばらく前から出ててね。」と、和音。
「私も、生のフォークダンスとか見てきたいわ。」と、真子。
「そうよね、色々見てこれば、また真子の踊りのヒントになるかもしれないわね。」
すみれも踊りに興味がある。
「ねえ、真子、さっきも祥子さんが、旅費は真子のギャラから出せるから問題ないなんて言ってたんだけどほんとに大丈夫なの?」
「ふふ、CM出演は一社だけじゃないのよ、これからテレビを見てると嫌でも私たちの姿を見ることになるのよ。」
「そうなんだ。」
「すみれ一人分ぐらい軽いものよ。」
「ほんとなのね、ならばがんばってみようかな。」
「何の話し?」
「ああ、こっちの話よ。」

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まずは食事-4 [Lento 7,TV収録の日]

そこへ祥子が戻る。
「さあて、何から話そうかな。」
「話したいことが山盛りって感じね、祥子さん。」
「その通りなのよ、まずは演奏旅行のこと、もう少し話しておかないとね。
日程としては二月の初めから三月中旬まで、もっと長くしたかったら早めに言ってね。
初音さんとも相談しなくてはいけないから。
家族とか、すみれとかは都合に合わせて別便で行って帰ってということで良いと思うわ。
Lentoの正社員スタッフも交代で行くという話しもあるの、変則的社員旅行ってことね。
別行動するけど、途中で落ち合うという感じね。
演奏会は今のところ10回ぐらい予定してるけど増えるかもしれないそうよ。
何でもカールのお父さんがすごく乗り気になっているらしいの。
でも、ちゃんとのんびりも出来るようにしてくれるそうよ。
ねえ、和音、ピアノコンチェルトってどう? チャイコフスキーとか。」
「オーケストラとですか、やってみたいなぁ。」
「よし決定。 私の友達の父親がタクト振ってるオケをバックに演奏してね。」
「は、はい。」
「向こうへ行ったらまずそのオケと合わせてみて日程の最後の方で本番を組むからね。
それからザルツブルグのお城で、オーストリア風舞曲、これは向こうのプロとの競演になるわよ。
矢野さんたちを連れてっても良いんだけど、向こうのプロと、誰かはまだ秘密だそうだけど、カールは絶対がっかりさせないって言い切っていたから楽しみにしててね。
他は演奏したい曲を色々出しておいてね。
真子の衣装は向こうでも用意したいってことなんでサイズとか教えてね。
「どんな衣装なんですか?」
「向こうで用意するのは新作ディアンドルって感じね。
真子のDVDを見て自分が縫ったのを着て欲しいと切に思った友達がいてね。」
「はぁ~、祥子さんたら私の知らない内にずいぶん話を進めていたんだ。」
和音がため息交じりにつぶやく。
「のんのん、話を進めたのは向こうの連中よ。
まあ、今日の収録に集中して欲しかったから内緒にしてたけどね。
で、再来週あたりにカールたち向こうのプロジェクトメンバーが、日本に来るから、よろしくね。」
「え!」
「先に顔合わせしておいた方が気楽でしょ、色々契約とか権利の問題とかもあるしね。
それと、彼ら即席で日本語の練習中だから…、はは、東洋の奇跡と直接話がしたいとか言ってたわ。
へんてこりんな日本語が飛び出しても気にしないでね。
ちなみに自動車のことを日本語では、ばしゃ、だと教えといたから、彼らがばしゃって言ったら自動車のことよ。」
「はは、祥子さん、いたずらっ子~」
和音が笑う。

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まずは食事-5 [Lento 7,TV収録の日]

食事をとりながら話しは続く。

「それに合わせて大学のホールでコンサートを開くつもりなんだけどどうかな。」
「学校でですか、良いですけど、学校のホールって簡単に借りられるものなのかなぁ?」
「和音が演奏するのよ嫌と言う訳ないでしょ。
基本的に大学側は私の言いなりにできるから心配しないで。」
「どんな脅しを掛けたんです?」と真子。
「脅しを掛ける前に、向こうがギブアップ気味なのよ。
和音にピアノを教える力を持った先生っていると思う?」
「いないでしょうね、和音の仕上げは白川さんがやったようなものですからね。」
「それでも学生なんだから和音に単位を取って欲しい訳でしょ。
それでね演奏会とかを単位として認めて欲しいと話してみたの。
喜んでOKしてくれたわ。」
「学校へ行く回数が減ったな〜。」と、和音。
「学校で無駄な時間過ごすくらいだったらLentoとかで演奏してた方が良いでしょ。
まあ大学も利用できる所は利用していかないと。
こちらの都合が通りにくい時は、和音の経歴が大学中退になるけどって、脅し文句は用意してあるのよ。」
「ふふ、学校にとっては大問題ね、天才ピアニストが卒業した学校として名を残すか、レベルの低さにあきれて中退したのとでは、今後の受験生の数に影響が出て来るものね。」
「さすが真子、分ってるじゃない。」
「ふふ。」
「それと真子も、極力、真子の都合の良い日に合わせるから、お願いね。」
「大丈夫よ、私もプロになる決心をした時から、学校の優先順位はずいぶん落ちてるけど、成績もそれなりで卒業できる目処は立ってるから。」
「最初は向こうからの連中もLentoに招待しようかと思ったんだけどね、人数が多くなりそうなのよ。
向こうのテレビ局のクルーも同行してくるみたいなの、そのまま番組とTVCMを撮影していく予定でね。
それならば学校のホールがちょうどいいかもって、大学側にはとりあえず打診はしてあって空いている日ならOKなの。」
「向こうのテレビに出るんですか?」和音が驚いたように尋ねる。
「そのつもりらしいわね、日本のプロジェクトチームに負けない活動をするそうよ。」
「まだ実物を見たこともないのに?」
「カールの父君が向こうのメンバーに話したんだって。
すでに名の売れた演奏家のコンサートを企画するのは簡単だし間違いもない、ただ自分にとっては面白くもなんともない、ただの作業にすぎない。
でも、こんなに力を持った無名の新人を自分たちの手で世に知らしめるなんてこと、めったにできることじゃない、誰よりもわくわくしてるのは私だよ、とね。」
「説得力のある言葉ですね。」と、すみれ。
「ちょっと調べさせていただいたら、ドイツやオーストリアで一流どころのオーケストラのコンサートとかを仕切ってる、まさに大物プロモーターなのよ。
白川さんに伝えたらね、日本のチームと向こうのチームとが競い合う形になれば面白いな、なんて、まあ他人事みたいに話してみえたわ。」

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まずは食事-6 [Lento 7,TV収録の日]

「そんなに大勢来るとなると費用も大変でしょうね。」と、すみれ。
「スポンサーが出してくれるから大丈夫なのよ。
向こうのプロジェクトメンバーには実業家の娘とか息子とかも何人かいてね、親とかにDVDを見せただけで3社が簡単に決まったそうよ。
だから来日中に3社分のCM撮影となるけど、簡単に済ませるみたいだから心配しないでね。」
「私は簡単じゃなくても大丈夫よ。」と、真子。
「ドイツ語話せないからかえって気軽かも、それより今日収録したのが放送されたらどうなるのかな、何かどきどきよね。」和音。
「あっ、という間に有名人の仲間入りでしょうね。」
祥子が答える。
「そうそう、桜庭さんからマスコミ対応に気をつける様に言われたわ。
一部の馬鹿がいい加減なことを適当に書いたりするけど、こちらが堂々としてれば何の問題もない、だけど法に触れることや倫理上問題のある行為は馬鹿どもを喜ばせるだけだからって。」
「姫の様に振舞ってLentoのスタッフをあごでこき使ってるって書かれたら、すみれのせいだからね。」
「ちゃんと事実ですって証言してしてあげるわよ、真子。」
「はは、ねえ和音、茂根くんとはどんな感じなの。」
祥子がさりげなく尋ねる。
「えっ、そうね最近よく家に来てるけど。」
「順調そうね。」
「母さんが食事によく誘うの、達也くんも一人暮らしだから楽できて嬉しいなんて言いながら、ショパンをスケッチしたり、父さんのお酒の相手したり、絵美はおにいちゃんって呼んでるわ、なんか不思議なぐらい我が家に溶け込んでしまって…。」
「そうか両親公認な訳ね、でも彼って不思議な人よね、どこにでもいそうなごく普通の大学生なのに絵を描かせたらプロだし、気弱そうなのに、この前はお客さんのいるところで平然と絵を描いてるし、描き上がったばかりの絵が高値で売れてもなんか普通にしてるし。」
「あれは下書きみたいなものだったの、本気で仕上げた絵は家の居間に飾られていたりして。」
「なるほどね、ならば変に書かれる前に公にしておくのも良いかな、茂根くんの宣伝にもなるし、もうすぐ画集も発売されるからね。」
「ちょっとはずかしいけど私は問題ないわよ、それより真子の方はどうなってるの〜?」
「えっ、何のことかなぁ〜。」
「川野さんとどうなのよ。」すみれが突っ込みを入れる。
「まだ何とも言えないわね、私はちょっと、でも彼は…。」
「ぼやぼやしてると初音さんに取られちゃうわよ。」
「えっ、そんなことはないって。」
「なんだ、それなりに進んでいるってことなのね。」
「男の子の友達は少なくなかったけど、友達以上の気持ちになったことはあまりなかったのよ。」
「変な雑誌のネタにはならないでね、スポンサーにも迷惑を掛けることになるから。」と、祥子。
「気をつけるわ、収入に応じて責任も大きくなるって白川さんにも言われたから。」
「そして、素敵な大人の女性になって下さい、でしょ。」
「ふふ、白川さんの口癖みたいなものね。」
「大人の女性かぁ~、まだ、ぴんとこないわね。」と、和音。
「和音は難しいこと考えないでピアノ弾いていれば良いのよ。」
「え~、ピアノ弾くしか能がないってこと?」
「う~ん、他に何かあったかしら?」
「真子ったらひど~い。」

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ピアノのある店で-1 [Lento 7,TV収録の日]

食事を終えた後、祥子が3人を連れていったのはホールの中央にピアノを配した、Jazzの流れる落ち着いた店、今日は生演奏はないが、有名なJazzプレイヤーのセッションも開かれる店だ。
店に入ると祥子はマスターと話し始めるが、ピアノを見つけた和音はそのままピアノヘ。

「祥子さん、和音大丈夫かな? ちょっと酔ってるみたいで勝手にピアノ弾き始めそうよ。」
「構いませんよ。」とマスター。
そう言いながらBGMの音量に気を掛けているようだ。
「何か演奏してくれたら嬉しいんだけどな。」
そう言いつつ真子の方を向くマスター。
「あの~真子さんですよね、サインなどいただけたら光栄なんですが。」
「真子、こちらのマスターはあなたたちのファンなのよ。」
「あら、ありがとうございます。」

和音はピアノの椅子に腰をかけると店内を見回している。
ぼんやりしている感じだ。
マスターはさりげなくBGMをフェイドアウトする。
と、それを待ってたかの様に和音はピアノを弾き始めた。
バドパウエルのCleopatra's Dream、クレオパトラの夢だ。
店内から驚きの声が上がる。

「和音さんのJazzもいいですね。」と、マスター。
「そうね、私も始めて聴いたけど、なんでこういうこと教えてくれないのかな!」祥子がちょと怒ったふりをして。
「和音のお父さんはJazzも好きで、たまにお父さんのリクエストに応じて弾いてるのよ。
まぁ、和音にとってはお遊びみたいなものらしいけど。」真子が説明する。
「これがお遊びですか…。」マスターは絶句する。

和音が真子の方を見てる。
「和音が呼んでるからちょっと行って来るね。」
「今、真子さんを呼んだのですか?」
「らしいわね。」

真子が和音の方へ歩きかけたところで曲調が変わる。
JazzのスタンダードナンバーOver The Rainbow。
そして真子が歌い始める。
「Somewhere over the rainbow♪ Way up high♪
There's a land that I heard of Once in a lullaby♪ …♪」
はりのある歌声がホールに響く
客席からはまたも驚きの声が。
「真子さんてプロのJazzシンガーだったのですか?」
マスターが驚きの声をあげる。
祥子たちも、しばらく真子の歌に酔いしれることとなる。

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ピアノのある店で-2 [Lento 7,TV収録の日]

歌い終えた真子は拍手の中、祥子たちの所へ戻る。
和音はピアノを弾き続けている。

「真子良かったわよ。」と、すみれ。
「ふふ。」
「あのね、ちょっと今後の予定変わるかもしれないからね。」ちょっと怒ったように祥子が話す。
「どう、なるんです?」
「あなたのCD出すわよ。」
「私のですか? でもそんなレベルじゃないですよ。」
「何言ってるのよ。」
と話している所へマスターが。
「あの、すいません、ちょっとお二人の紹介とかしていただけませんか。
他のお客様方が気になってしょうがないけど和音さんの演奏も聴いていたいし、という感じなので。」
「良いわよ。」

祥子は立ち上がりピアノの近くへ。
マスターからマイクを受け取る。
和音は雰囲気を察して、ピアノのトーンを下げる。
客たちは祥子に注目する。
「こんばんわ、今日は突然の演奏で驚かせてしまいました、ごめんなさい。
私は、ただ今ピアノを弾いております、中村和音たちのマネージャーをさせていただいております長井祥子と申します。
ちょっとこの場をお借りしまして二人の紹介をさせていただきます。
よろしくお願いします。
ピアノの中村和音は普段クラシックの演奏をしております。
現在音大の3年生です。
最近プロとしての活動を始めましてCDなど出させていただいております。」
和音の方を見る祥子。
祥子と目を合わせた和音はピアノのトーンを上げ曲もシューマンに変わって行く。
少し間をおいて。
「先程歌いましたのは柳原真子です。
普段はダンサーをやっております、やはり大学3年生。
和音の演奏に合わせて踊ることが多いので、ベースはクラシック系です。
先程の歌は…、実は私も今日始めて彼女の歌を聴きまして…。
え~っと、本人は、そんなレベルじゃないと言うのですが、私はCD出してもと思うのです、皆さんはどう思われますか。」
その瞬間、客達から喝采が起こる。

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ピアノのある店で-3 [Lento 7,TV収録の日]

「有難うございます、真子のCDデビュー決定です。
発売日等は追ってお知らせさせていただきます。
続けて、もうひとつ業務連絡が有ります。
11月10日土曜日の夕方、テレビで二人の演奏などが放送されます。
今日はその収録帰りなんです。
暇な方もそうでない方も、ビデオに撮ってでも、ご覧いただけたら幸いです。
よろしくお願いします。」
拍手。
「では今しばらく中村和音の演奏をどうぞ。
ちょっと酔っ払っていますので、多少のことはお許し下さいね。
和音、ねこふんじゃったでも聞かせてよ。」
言ってる本人も少々酔っている。
すぐ和音は超高速で、ねこふんじゃったを弾き始め、聴衆の度肝を抜く。
変奏曲へと変わり、飼い猫ショパンの様子を表現していく。
しばらくしてショパンは昼寝を始めた様で、ゆったりとのんびりした演奏になる。

「あっ、和音寝てない?」と、真子。
「まさか、普通に演奏してるじゃない。」祥子が応える。
「ちょっと行ってくる。」
真子は和音の元へ行き話しかける、客にも聞こえる様に。
「和音、遅刻するわよ。」
とたん、曲があわただしくなる。
しばらくして周りを見回す和音。
きょとんとした表情をしている。
「寝てたでしょ?」
ピアノで、へへ、っと答えつつ、曲はFly me to the Moonに変わる。
「ふふ、そう来たか。」
ピアノに寄りかかるようにして真子が歌い始める。
「Fly me to the moon♪ And let me play among the stars…♪」
真子の歌声が客たちを魅了する。

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ピアノのある店で-4 [Lento 7,TV収録の日]

マスターがそっとピアノにワイングラスを置く。
間奏の間にグラスを手に取る真子。
そんな光景をうっとり見つめる客たち。
映画の一場面にもなりそうな雰囲気だ。

歌い終えた真子は和音を立たせ客達の拍手に応えた後、グラスを片手に優雅に席へ戻る。

「お疲れ様でした。」と、すみれ。
「ねえ真子の歌の秘密はなんなの?」祥子が問う。
「まずは腹筋でしょ。」和音が答える。
「真子は踊りの姿勢が安定するように、前から腹筋を鍛えていたの、それが歌の声量と声の安定につながっていることは間違いないわ、それと姿勢の良さね。」
真子が続ける。
「そうなの、ボイストレーニングを始めた頃、先生にも褒められたわ、結局踊るために身につけたことがそのまま歌の基礎になってたのね。」
「呼吸法もね。」と和音。
「そう、和音のピアノで踊り始めた頃、和音から指摘されたのは、踊る時の呼吸でね、息を吐きながらか息を吸いながらか、ということが動きにも影響してるって。
それから暫くは意識的に、どこで息を吸うかとか、ここは息を吐きながらとか考えながら踊っていて、結果踊りのレベルアップになったわ。
それが歌にも生かされたみたい。」
「そうか。」と祥子。
「音感も毎日名演奏を聴いていれば鍛えられるだろうし、表現力は踊りの延長なのかな。
それにしても天は二物を与えるものなのね。」
「ふふ、でも歌は大変なんです、納得できるレベルで歌える曲はまだ4曲ぐらいしかなくて。」
「じゃあまずはシングルね、え~と待てよ、和音 meets Jazz with 真子、なんてのどうかな?」
「あっ、面白いかも。」

そこへマスターが。
「今日は食べ放題飲み放題で無料ですから、どんどん注文して下さいね。」
「えっ? マスターの?」祥子が気に掛ける。
「お客様方のおごりですから、気にしなくていいですよ。
お二人は何時でも気軽に来て下さいね、一曲でも演奏して下されば何時でも無料で、食べ放題飲み放題ですからね。」
「マスター私は?」
「祥子さんはしっかり稼いでますからね…。」
「ケチ!」

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ピアノのある店で-5 [Lento 7,TV収録の日]

「それとですね、お客様に新聞社の方がみえましてね。」
「あっ、仕事ね、私が行くわ、あなたたちはゆっくりしてらっしゃい。」
祥子の顔つきが変わる。
記者を席へ招ねかず、自分が行くということは即、真子たちの時間を守ることになる。
祥子は、こういった配慮が自然にできる。

「新聞か、今度は新聞にのるのかな?」
「中村和音、逮捕ってね。」
「え~。」
「それよりさ、すみれも少しは目立ちなさいよ。」
「私は何にも…。」
「この祥子さんのワイングラスを祥子さんの所まで優雅に届けるの、絵になって。」
「あっ、そうね…。」
すみれの頭にはLentoでのランクアップのことがよぎった。
「やってみるわ。」

長身の美人が和音たちのテーブルから立ち上がれば注目を集めない訳がない。
目が合った客に微笑みながらゆったりと歩くすみれ。
祥子のテーブルにワイングラスを置く。
「祥子さん、どうぞ。」
「あ、有難う、すみれ。」
「こちらの方は?」記者が尋ねる。
「今日の付き人です。」
「付き人? 付き人まで美人なんて有りなんですか?」
「はは、真子の友人でもあるのですけどね。」
「ちょっと真子さんのこととか聞いてもいいですか?」
「良いのかな?」と祥子の方を見るすみれ。
「良いけど、もう少し背筋を伸ばして堂々として、この店で今の瞬間、主役はあなたなのよ、少しは視線を意識しなさい。」
「は、はい。」

結局、新聞記者の取材は、すみれ中心となった、祥子が本人たちに聞くより面白いかもと提案して、記者がそれを受け入れた形だ。
11月10日土曜日の朝刊に記事を掲載する予定となった。
TV出演当日だから宣伝効果も期待できる。

突然の新聞取材、これは単なる偶然ではない。
祥子は、この店の客にマスコミ関係が多いということを知っていたのだ。

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