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まずは食事-5 [Lento 7,TV収録の日]

食事をとりながら話しは続く。

「それに合わせて大学のホールでコンサートを開くつもりなんだけどどうかな。」
「学校でですか、良いですけど、学校のホールって簡単に借りられるものなのかなぁ?」
「和音が演奏するのよ嫌と言う訳ないでしょ。
基本的に大学側は私の言いなりにできるから心配しないで。」
「どんな脅しを掛けたんです?」と真子。
「脅しを掛ける前に、向こうがギブアップ気味なのよ。
和音にピアノを教える力を持った先生っていると思う?」
「いないでしょうね、和音の仕上げは白川さんがやったようなものですからね。」
「それでも学生なんだから和音に単位を取って欲しい訳でしょ。
それでね演奏会とかを単位として認めて欲しいと話してみたの。
喜んでOKしてくれたわ。」
「学校へ行く回数が減ったな〜。」と、和音。
「学校で無駄な時間過ごすくらいだったらLentoとかで演奏してた方が良いでしょ。
まあ大学も利用できる所は利用していかないと。
こちらの都合が通りにくい時は、和音の経歴が大学中退になるけどって、脅し文句は用意してあるのよ。」
「ふふ、学校にとっては大問題ね、天才ピアニストが卒業した学校として名を残すか、レベルの低さにあきれて中退したのとでは、今後の受験生の数に影響が出て来るものね。」
「さすが真子、分ってるじゃない。」
「ふふ。」
「それと真子も、極力、真子の都合の良い日に合わせるから、お願いね。」
「大丈夫よ、私もプロになる決心をした時から、学校の優先順位はずいぶん落ちてるけど、成績もそれなりで卒業できる目処は立ってるから。」
「最初は向こうからの連中もLentoに招待しようかと思ったんだけどね、人数が多くなりそうなのよ。
向こうのテレビ局のクルーも同行してくるみたいなの、そのまま番組とTVCMを撮影していく予定でね。
それならば学校のホールがちょうどいいかもって、大学側にはとりあえず打診はしてあって空いている日ならOKなの。」
「向こうのテレビに出るんですか?」和音が驚いたように尋ねる。
「そのつもりらしいわね、日本のプロジェクトチームに負けない活動をするそうよ。」
「まだ実物を見たこともないのに?」
「カールの父君が向こうのメンバーに話したんだって。
すでに名の売れた演奏家のコンサートを企画するのは簡単だし間違いもない、ただ自分にとっては面白くもなんともない、ただの作業にすぎない。
でも、こんなに力を持った無名の新人を自分たちの手で世に知らしめるなんてこと、めったにできることじゃない、誰よりもわくわくしてるのは私だよ、とね。」
「説得力のある言葉ですね。」と、すみれ。
「ちょっと調べさせていただいたら、ドイツやオーストリアで一流どころのオーケストラのコンサートとかを仕切ってる、まさに大物プロモーターなのよ。
白川さんに伝えたらね、日本のチームと向こうのチームとが競い合う形になれば面白いな、なんて、まあ他人事みたいに話してみえたわ。」

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