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ピアノのある店で-4 [Lento 7,TV収録の日]

マスターがそっとピアノにワイングラスを置く。
間奏の間にグラスを手に取る真子。
そんな光景をうっとり見つめる客たち。
映画の一場面にもなりそうな雰囲気だ。

歌い終えた真子は和音を立たせ客達の拍手に応えた後、グラスを片手に優雅に席へ戻る。

「お疲れ様でした。」と、すみれ。
「ねえ真子の歌の秘密はなんなの?」祥子が問う。
「まずは腹筋でしょ。」和音が答える。
「真子は踊りの姿勢が安定するように、前から腹筋を鍛えていたの、それが歌の声量と声の安定につながっていることは間違いないわ、それと姿勢の良さね。」
真子が続ける。
「そうなの、ボイストレーニングを始めた頃、先生にも褒められたわ、結局踊るために身につけたことがそのまま歌の基礎になってたのね。」
「呼吸法もね。」と和音。
「そう、和音のピアノで踊り始めた頃、和音から指摘されたのは、踊る時の呼吸でね、息を吐きながらか息を吸いながらか、ということが動きにも影響してるって。
それから暫くは意識的に、どこで息を吸うかとか、ここは息を吐きながらとか考えながら踊っていて、結果踊りのレベルアップになったわ。
それが歌にも生かされたみたい。」
「そうか。」と祥子。
「音感も毎日名演奏を聴いていれば鍛えられるだろうし、表現力は踊りの延長なのかな。
それにしても天は二物を与えるものなのね。」
「ふふ、でも歌は大変なんです、納得できるレベルで歌える曲はまだ4曲ぐらいしかなくて。」
「じゃあまずはシングルね、え~と待てよ、和音 meets Jazz with 真子、なんてのどうかな?」
「あっ、面白いかも。」

そこへマスターが。
「今日は食べ放題飲み放題で無料ですから、どんどん注文して下さいね。」
「えっ? マスターの?」祥子が気に掛ける。
「お客様方のおごりですから、気にしなくていいですよ。
お二人は何時でも気軽に来て下さいね、一曲でも演奏して下されば何時でも無料で、食べ放題飲み放題ですからね。」
「マスター私は?」
「祥子さんはしっかり稼いでますからね…。」
「ケチ!」

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