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ピアノのある店で-1 [Lento 7,TV収録の日]

食事を終えた後、祥子が3人を連れていったのはホールの中央にピアノを配した、Jazzの流れる落ち着いた店、今日は生演奏はないが、有名なJazzプレイヤーのセッションも開かれる店だ。
店に入ると祥子はマスターと話し始めるが、ピアノを見つけた和音はそのままピアノヘ。

「祥子さん、和音大丈夫かな? ちょっと酔ってるみたいで勝手にピアノ弾き始めそうよ。」
「構いませんよ。」とマスター。
そう言いながらBGMの音量に気を掛けているようだ。
「何か演奏してくれたら嬉しいんだけどな。」
そう言いつつ真子の方を向くマスター。
「あの~真子さんですよね、サインなどいただけたら光栄なんですが。」
「真子、こちらのマスターはあなたたちのファンなのよ。」
「あら、ありがとうございます。」

和音はピアノの椅子に腰をかけると店内を見回している。
ぼんやりしている感じだ。
マスターはさりげなくBGMをフェイドアウトする。
と、それを待ってたかの様に和音はピアノを弾き始めた。
バドパウエルのCleopatra's Dream、クレオパトラの夢だ。
店内から驚きの声が上がる。

「和音さんのJazzもいいですね。」と、マスター。
「そうね、私も始めて聴いたけど、なんでこういうこと教えてくれないのかな!」祥子がちょと怒ったふりをして。
「和音のお父さんはJazzも好きで、たまにお父さんのリクエストに応じて弾いてるのよ。
まぁ、和音にとってはお遊びみたいなものらしいけど。」真子が説明する。
「これがお遊びですか…。」マスターは絶句する。

和音が真子の方を見てる。
「和音が呼んでるからちょっと行って来るね。」
「今、真子さんを呼んだのですか?」
「らしいわね。」

真子が和音の方へ歩きかけたところで曲調が変わる。
JazzのスタンダードナンバーOver The Rainbow。
そして真子が歌い始める。
「Somewhere over the rainbow♪ Way up high♪
There's a land that I heard of Once in a lullaby♪ …♪」
はりのある歌声がホールに響く
客席からはまたも驚きの声が。
「真子さんてプロのJazzシンガーだったのですか?」
マスターが驚きの声をあげる。
祥子たちも、しばらく真子の歌に酔いしれることとなる。

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