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support company-12 [Lento 12,support company]

蒔神はコンピューターのシステムを担当する予定。
だが今はまだ研修中で現場での商品発送作業等に加わることもある。
配送センターのシステム全体を把握しておきたいから、という本人の言葉に応えた形だ。
パソコンで受注から発送までの流れを確認している時もある。
そして真紀に障害者雇用について説明する時間ももうけられた。

その初日、祥子が。
「真紀そろそろ蒔神さんとの初デートの時間じゃないの。」
「え~、デートじゃないわよ仕事なんだから。」
「はいはい。」
「もう、はい、は一度だけ元気よく! じゃあ行ってくるわね。」
真紀は花組専用の応接室へ。
「真紀ったら、舞い上がってなかった?」
「そうよね、美帆、私が受けた印象ではうまく行きそうな気もしてるわ。」と、桜子。
「でも障害のことが…、真紀んちは結構気にしそうな家柄だからね。」
「どうなるのかしらね…。」

花組専用の応接室は社屋の一番眺の良い位置にある、静かに和音のピアノが流れる。

「蒔神さん、これから色々教えていただくことになると思います、よろしくお願いします。」
「いえいえこちらこそ、でも、そんな風に丁寧に話していただけると恐縮してしまいます。
花組の方々ってお嬢さまばかりで、テレビに出演することもあれば、ここでは重役のような立場だから、もっと偉そうにしてみえると思ってましたから。」
「そうなんですか? でも私たち大学を出たばかりの半人前なんですよ。
確かに、たまたま和音たちのサブマネージャーとかさせていただくことになったから目立ってます。
桜子たちが社会への挑戦的な活動として、和音 with Harmony Works support companyを立ち上げたから、そのお手伝いもするようになってますが…。」
その時、コンコンとドアをノックする音が。
「どうぞ。」
「お飲み物をお持ちしました。」
真紀の前にはウインナーコーヒーが、蒔神の前にはトマトジュースが置かれる。
「えっ? トマトジュースなんですか?」


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support company-13 [Lento 12,support company]

「はい、結構好きなんです。」
「へ~、あっ、亜沙子のことだから缶を開けてという感じじゃないんでしょう?」
「もちろんよ真紀、えっと蒔神さん少し飲んでみていただけませんか?」
「はい…、あれ? おいしい…。
自分コーヒーとか飲まないから、昨日亜沙子さんに飲み物の好みを訊かれた時にトマトジュースって応えたのですけど、こんなおいしいトマトジュースをいただけるなんて思ってもいませんでした。」
「そう言っていただけると嬉しいです、私の特製ですからね。」
「亜沙子にはこの部屋に来るお客様のお世話をお願いしてるの、ほんとは花組メンバーになってもおかしくなかったのだけど…、まあマネージャー軍団? 結成の頃は普通に就職の内定をもらっていてね。」
「真紀、雑談してていいの?」
「うん、この時間の半分は蒔神さんに花組のこととか知っていただく時間、半分は私が色々教えていただく時間って考えているの。」
「なるほどね、じゃあ続きは自分で話すわ。」
「うん。」
「蒔神さん、それで私、就職したのですけど気付いたらかなり人に優しくない職場だったのです。
立場の低い人に怒鳴り散らす人がいたり、抱えているストレスを他の人にぶつけまくる人がいたり。
結構名の通った会社だから、びっくりしてしまって。
そんな時に真紀と会う機会があって、で会社の話しをしたらsupport companyの通販部門で人を集めているから来ない? って誘われて。
条件も何も訊かずにオーケーしてしてしまったのです。」
「会社からは色々言われませんでしたか?」
「はは、それがですね、和音 with Harmony Works support companyの通販部門で、友人の花組メンバーから誘われましてと正直に話したら皆さん何も言えなくなったみたいだったのです。
その頃でも、テレビとかで人に優しい会社作りのことは結構放映されていましたし、花組もずいぶん有名になってましたから。」
「なるほど。」
「とどめは給料ですね、ここでは、とりあえずその会社の1.5倍から始まって昇給もボーナスもここの方がはるかに条件が良いのです。
まぁ和音ちゃんのCD、DVDが売れまくっているから、余裕がある訳なのですけどね。」
「そうか、自分もなんか給料良すぎないかな、なんて思っていたけど、すべては和音さまと真子姫さまたちのおかげなのですね。」
「ふふ、そういうことなのですよ。」


Levi's x Fenom

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support company-14 [Lento 12,support company]

「自分は車椅子バスケットをやっているんで結構お金がかかるんです。」
「ええ、車椅子バスケットのことは真紀から聞いていて少し調べさせていただいたのですが、すごくハードなスポーツなのですね。
さらに、競技用の特別な車椅子って結構高いから結構経済的な負担もある、ということなんですね?」
「はい、たまに障害者の娯楽ぐらいにしか思っていない人もいますけど…。
確かにリハビリ系の初心者はそういう感覚で体験して欲しいのですが、自分達、本気組の試合は真剣勝負なんですよ。」
「一度試合とか見に行きたいわ。」と、真紀。
「ぜひ見に来て下さい。
そうそう、チームのメンバーの中には職を探している人もいるんです。
ここの現場を体験させていただいて思ったのですけど、彼なら普通にここで働けると思うんです、面接も兼ねていかがでしょうか?」
「私も見に行きたくなりました。」
「亜沙子、本心?」
「はは、もちろんよ。」
「えっ? どういうことなんですか?」
「亜沙子はお客様のおもてなしをするプロなの。」
「あっ。」
「この部屋に来た人たちはみなさん気分良くお帰りになるのよね、亜沙子?」
「もちろんそうだけど、蒔神さんはこれから本当の仲間になっていく、いえ、なって欲しい方だから。」
「うわっ、改めて気付かさせて…、心のこもったトマトジュース、自分の一番大切な部分である、車椅子バスケットのことを事前に調べておく…。」
「それが亜沙子の仕事なの。」
「そのことは、普段はあまりお客さまに感じさせないように働いているけどね。
身内に私の仕事の裏を隠しておく必要もないしね。」
「えっ? 私が身内ですか?」
「素敵な仲間になって欲しいわ。」
「あっ、亜沙子…。」
「と、真紀から聞かされていましたから。」
「はぃ、そうなんですか…、自分はまだ新人で分からないことだらけです、でも心の底からここの仲間になりたいと思っています。」


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