大湫の大杉

「亜紀、ちょっと信じられない事が起こった。」
「何？」
「大杉が倒れたんだ。」
「大杉？」
「岐阜県瑞浪市大湫の神明神社、樹齢は千二百年～千三百年、幹回り約11mと言われても実物を見ないとその大きさはイメージ出来ないと思うが…。」

https://dustation.blog.ss-blog.jp/2011-05-14

「写真の限界という事なのね。」
「うん、大湫は旧中山道美濃路の宿場町、千八百六十一年、皇女和宮御降嫁の時には大行列がここを通り、和宮もこの宿場で一夜をすごされたらしい。
　大杉は大湫のシンボルで、そんな様も静かに見守っていたのだと思う。」
「長い時を経て…。」
「いずれ枯れ果て朽ちるとかは想像出来ても、まだ枯れてもなくて倒れるとは思いもしなかった。」

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6365171

「この映像だと幹の太さの割に根っこが貧弱に見えるわね。」
「だよな…。」
「ねえ、この大杉に何か思い入れが有るの？」
「ああ、この近くにキャンプ場が有り、若い頃は良く行ってたんだ、当時は名古屋市の施設でね。
　この神社でお弁当を食べたりしてさ。」
「へ～、若い頃が有ったんだ。」
「当たり前だろ。」