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大銀河帝国-28 [シトワイヤン-34]

大銀河帝国を中心とした新しい経済圏の拡大をおもしろく思っていない国も有る。
自国の影響力拡大を目論んでいた大国は特にだ。
その影響下において来た国が少しずつ離れて行くだけでなく、国内でも姫さまのDVDが通販の人気商品になり、国民は美しき姫さまに憧れを抱いている。
この国が輸出を計画的に減らされているのは、国の要人が姫さまを侮辱する発言をした事が切っ掛け。
姫さまの祝福を感じた事が無いとは言え、あまりに軽率だった。
それが無ければ、対立を望まない帝国関係の人達はその国の安定も計画の内に入れ、経済的バランスが崩れる方向には進まなかっただろう。
謝罪し修正する機会は有ったのだが、そもそもそんな気持ちが指導者達に無かった様で…。
結果、帝国主導の投資拡大で好景気の経済圏と、輸出が振るわなくなった大国という構図が出来上がった。

「和馬さん、某国との落し所は無いのですか?」
「こちら側の人達は大人だが、姫さまに関してだけは譲れないだろ、宗教対立に近い感覚になっているとも思える、我らが象徴である姫さまを侮辱されてはね。」
「万里は気にしてないと話していましたが。」
「それでもな、まあ、国民に罪は無いが、一つの地球を目指すには…。」
「多少のリスクを負う必要が有るのですね。」
「姫さまとも話していたのだが、相手は大きな国だろ、一部の人が姫さまの祝福を感じ変わろうとした時、そうでない人達と大きな対立になる可能性は否定出来ない。
これまで帝国を拡大する過程でも少し有った事だが、規模が違うと思うんだ。」
「そうですね、今までは万里の力が知られていない状況からでしたので、一気に広める事が出来ましたが…、魔女に因る洗脳を恐れさせるだけの宣伝を進め、万里目掛けてミサイルを発射する口実とされでもしたら、でも、戦争だけは絶対避けなければなりません。
折角、人々がユートピアへの道を歩もうとしているのですから。」
「輸出が振るわなくなり民主化運動がまた盛んになりつつあるとの情報が入って来ているが…。
? 愛華どうした?」
「和馬、かの国で軍事クーデターが起きてるとの一報が入ったわ。」

その後、次々と情報が入って来る。

「民衆がクーデターを支持しているみたいだな。」
「舞姿をDVDで見た人や、旅行中に姫さまの祝福を感じた人が少なからずいたり、世界から自国が取り残されると、大銀河帝国の情報はそれなりに入っていたのね。」
「あっ、軍部が姫さまに忠誠を誓うと…、思い切った声明を出したな。」
「へ~、色々調査して来た結果なのね、万里、どうする?」
「このまま一気に動いて無血クーデターが成功するのなら、こちらも積極的に動かざるを得ません。
スケジュールを変更して、国交樹立を目指しましょう。
私の訪問を前提に、軍事政権と連絡を取って下さい。」
「姫さまが訪問して大丈夫でしょうか。」
「この国を大銀河帝国と良好な状態に出来れば、世界を一つにして行く障害は残り少ないと、時間は掛かっても何とかなると思います。
今は忠誠を誓うとの言葉を信じ、こちからもメッセージを発信しましょう。」

我々は動いた。
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