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大銀河帝国-24 [シトワイヤン-34]

大銀河帝国領になった地域には大学のない所も有り教育水準は低いが、それ故思い切った実験的教育が出来る。
日本の様に大学入試を目指す知力に偏った教育を行う必要は無い。
学校改革の一つとして、母国語を英語としてきたエリアは勿論、アラビア語を使っている地域でも英語学習など語学に力を入れたのは観光業を意識しての事だが強制はしない、英語を話せなくても出来る仕事は色々有るからだ。
ただ、姫さまが制作に関わった語学教材は、姫さまの歌が有り、トイプードル愚連隊を始め色々な動物が出て来て楽しく、子ども達が授業後にも見たがる程の人気。
旅行中に撮影されたものでは飛行船の仕組みを説明するものや、飛行船からの景色を紹介しながら、緑の大切さを説明するものも。
多少難しい話でも、姫さまの映像を見ているだけで楽しく、子ども達の好奇心を掻き立てる。
ホテルの利用方法やマナー、ホテルで働く人達がどんな仕事をしているのかといった内容も有る。
毎日見ている内に語彙が増えて行き、知識が身に就く。
誰しもが姫さまの話されている内容をきちんと把握したいと思い学習が進む。
そんなDVDは舞のDVDとは違い、姫さまが気軽に制作させているので、タイトル数は多くなり世界中で売れている。
一本当たりの売り上げは舞のDVDに遠く及ばなくとも、その総数はかなりの売り上げとなり、自治領の学校にプレゼントするぐらいは全く負担にならない。

新しくなった学校のカリキュラムは読み書きや計算の基礎に始まり、安全に日常生活を送る為の知識、自然科学、社会科学から最低限必要だと思われる内容が必須。
後は、個人の力量を見ながらとなる。
姫さまは学習を嫌いにならない工夫を提案され、ゲーム形式やクイズ形式を取り入れているが、十歳ぐらいからは、それぞれの学習が何を目的としているのかの説明を重視する事で学習意識を高めている。
教育は高校入試や大学入試の為のものではない、人としての成長し、それを仕事に活かし、また生活を豊かにする為のものだ。
基本的な計算すら覚束ない子に因数分解を教えようとする事には全く意味が無い。
一応十五歳ぐらいまでを義務教育と位置付けたが、職業教育を受けている子も多い。
漁師になると考えている子は、その為の知識を学び、実際に漁を体験する事も。
調理実習では、上級生が指導を受けながら給食を作る事も有るが、学校によってはそれが日常的になり、包丁さばきの上手な子が仕切る事も有る。
料理人を目指し始めた子に、三平方の定理を理解させる必要は無いが、盛り付けのセンスを磨くことがプラスになると考える大人が指導にあたる。
医師を目指す子の学習内容は濃く、年齢に関係なく大学入試を目指した取り組みを。
そんな子が高い能力を証明すれば海外留学の機会を与えられ、そのまま留学先の医大へ進学という道も有る。
親の経済状態によっては、費用全額を帝国が負担するが進路の変更は自由。

高校に相当する学校は一年から五年程度の在学期間を、それぞれの希望に応じた単位制で学習する。
就職の為に高卒資格を得ることを目的とした学校では無い。
それぞれの興味関心や、将来を見据えて教科を選択出来る。
途中から専門分野に踏み込んでの研究活動も想定されていて、簡単に言えば入試を経験することなく日本の大学レベルの学習が可能。
そして、大学を目指す者は研究論文に取り組む予定。
それは、大銀河帝国大学が研究機関としてスタートしているが、論文を提出し入学後の研究テーマを明確に示す事で入学が許可されるからだ。
大学入学後、そのまま研究者の道を進むにはその研究実績が必要となるが、高校相当の学校への入学後から大学の期間を含め、何時就職しても構わない。
また、就職後も籍を残し研究を続ける為の情報網に参加出来るシステムをイメージしている。
大学は研究機関なのだ。
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