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大銀河帝国-23 [シトワイヤン-34]

姫さまとの中南米の旅を終えてから大銀河帝国の自治領となった国々は、それぞれに問題を抱えていたが、小国ばかりだった事も有り、大銀河帝国の国力で解決の方向に。
各自治領では、新たに誕生させた国営企業と帝国の認証を受けた国内外の民間企業が相談し計画的に経済活動を進めている。
簡単に言えば公的事業では談合、その他でも日本では独占禁止法に引っかかる事を普通に行うことで、全体の効率が良くなっている。
因みに認証を受けなくても商売は可能だが、姫さまの加護の下大銀河帝国の認証を受けているかどうかは大きな事で、現地の法人は挙って認証許可申請をし、そのほとんどが認められた。
自治領では、入札を一切行わず話し合いで決定、安ければ良いでは無く適切な価格を官民一体となって検討している。
結果として儲け過ぎたと感じたら、その分は社会に還元が原則。
大銀河帝国に関連して来た企業は、すでにそれが当たり前の事で、バランスの取れた社会を目指す、企業人の価値観は大きく変わったのだ。
また、人件費を削って事業経費を抑える事は、労働者の購買力を落とし内需を弱らせる事に繋がると、地元民間企業の経営者は指導を受け素直に従っている。
企業に対して指導を行っているのは経営のプロを中心としたチーム、現地で細々と経営して来た会社に対し経営コンサルタント業務を行う。
弱小企業は似た様な企業と経営の統合を進め効率化し利益率を上げた。
社長から部長に格下げとなっても収入が増え、資金繰りに頭を悩ませる事もなくなったのだから、社長をしていた少しばかりのプライドが傷ついても気にならない様だ。
これは、コンサルタントチームの力が大きい。
それまでとは視野や人脈が桁違いなバックアップのおかげで、売れる所へ高値での輸出が可能となり一気に業績を伸ばす企業も。
だが、それは姫さまのお蔭だと私利私欲に走らない人ばかりなのが、姫さまを女王様と崇める人達の自治領だ。
帝国関連企業も様々な形で投資し住民の生活を豊かにしている。
暑い国では日本で人気の氷菓が現地生産され、メガヒット商品になっているが、その利益はそのままそのエリアに投資される。
雇用状況を見ながら、あえて手間の掛かる伝統工芸を現代風にアレンジし輸出している企業もある。
この伝統工芸品は、姫さまの領地で生産されている新たな姫さま関連グッズとして注目を集めているが、手作りなので量産出来ない事も有り高値での販売が可能に。
雇用の場が確保されただけでなく、職人の収入は大幅に増えた。
舞姫さまに守られ、大銀河帝国を支えて来た経営のプロの手に掛かれば、小国を豊かな状態に改革して行く事は造作のないことだ。
数十万人規模のエリアに集中投資、市民教育、職業訓練、それらを計画的に進めているのだから。
自由経済と計画経済の良いとこ取りを目指し、無理な計画は立てず、国営企業で有っても能力や実績によって収入に差が出るシステム。
姫さまの祝福により心穏やかになっている所へ、衣食住が充実したのだから住民たちは大満足。
この状態が続けば、ユートピア計画成功となりそうだ。
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