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大銀河帝国-18 [シトワイヤン-33]

「和馬さん、某国からの、万里を名誉プリンセスにという話は進んでいるのですか?」
「進んでるどころか、共和国を中心に広がりつつあるよ。
大銀河帝国との結び付きを強めたいと考えてる国が多くてね。
噂を聞きつけた幾つかの王国は、王族同士結びつきを深めて行きたいと言って来てる。
智里の商売も更に繁盛するだろうな。」
「万里を中心とした、今までとは違う国家の枠組みが出来て行くのでしょうか?」
「民主主義と言っても、選挙によって選ばれた元首が国民をがっかりさせた事例は少なくなかっただろ。
姫さまを元首に出来なくても、国家の象徴になって貰えればと多くの人達が考えているのさ、何と言っても平和の象徴、帝国に国民登録した人達は、姫さまを少しでも身近な存在にしたい、その結果がグッズの売り上げにしっかり現れていると思うね。」
「もう面倒な事はやめて、地球の女王とした方が早くないですか?」
「そこまでになるのにしても、色々なステップが必要だな、アフリカ大陸の制覇は時間が掛かりそうだし。」
「ですね、ファルコン号でアフリカを旅しながら、途中で専用機に乗り換えて世界旅行を並行して行く、ファルコン号の地上基地建設の関係も有るけど、世界中の人達が舞姫さまに来て欲しいと望んでいるものね、でも万里は一人なのよ。」
「無理のないゆったりとしたスケジュールを組みながらにして行こう、ファルコン号での旅は時差を気にしなくて良いだろ。
姫さま専用機のフライト時間も一回が長くならないようにしてね。
キャッシーはファルコン号の姉妹機を増やし観光船として就航させつつ、姫さまの空中宮殿としても使って行くつもりだ、姫さま専用機で移動して別の飛行船に乗り換える、苗川でも地上基地を建設中だから、日本国内も近い内に空中宮殿で回れそうで、高級別荘の利用者達も楽しみにしているそうだよ。
気象状況による予定変更を苦としない、金も時間も有る客が対象で、小型飛行船と組み合わせた旅のプランを色々組めるとお勧めして行くそうでね。」
「あの人達が客となるのなら、直ぐに黒字かな。
豪華客船の旅は、船の娯楽施設が充実しているから楽しめるのであって、毎日海ばかり見てたら飽きちゃいそう、でもファルコン号からの景色は日々変わり、万里が呼び寄せる鳥にも変化が有って楽しいですからね。」
「ああ、本当に色々な鳥がいることを教えて頂いてるよ。
智里は、明日ハンググライダーで鳥になって地上降りるのだったね。」
「飛び立ってからそのままファルコン号に戻るのは難しいのですよ。
今回は地上に降りてスタッフと合流、買い物してから、次のお客様をエスコート、天気は良さそうなので夕方には小型飛行船で戻って来ます。」
「ハンググライダーって怖くないの?」
「気持ち良いですよ、万里みたいにのんびり浮かんでる事は難しいですが、万里は速く移動出来ません、私の性格にハンググライダーは合っているのですよ。」
「なるほどね、そういえば姫さまのドローンは最近見てないね。」
「隼を腕に掴ませ、宙に浮くのは万里の力、横への移動を隼の羽ばたき、万里的にはドローンを使うより楽しいそうで、隼に楽しいという感情が有るのかは分かりませんが、彼も嫌ではないみたいです。」
「ああ、映像で見させて貰ったよ、姫さまの体重…、はは、姫さまの体重は測定不能だそうだね。」
「万里の気分で五キログラムだったり、三十キロだったり、身長はごまかせませんが。」
「まだ成長期なのかな?」
「私にはまだ追い付きませんが、普通の人より体の成長が遅いのかも知れません。
その分長生きして欲しいです。」
「そうだよな、神の如き存在が永遠に人類を見守っていて下さったらと思うよ。」
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