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大銀河帝国-19 [シトワイヤン-33]

智里のエスコートでファルコン号に上がって来たのは小さな島国の元首、彼の国は人口二十万人ほどで軍隊を持たない、友好条約に基づき、有事の際は近くの国に支援して貰う。
姫さまが立ち寄ってから、大銀河帝国として経済支援をして来た事も有り、帝国の自治領として保護下に入る話が進んだ。
今回は、空中宮殿ファルコン号でその調印式。
実務者による協議が進んでいるので儀式的なことのみ、その映像を世界に配信する。
彼が小型飛行船に乗り込む所から帝国の撮影スタッフがカメラを回していて、智里はそこに彩りを添える為、地上に降りた。
調印式を前に。

「姫さまは、にっこり笑ってサインして頂ければ良いのです。」
「はい、式に問題は有りませんが、国連との関係は決着がついたのですか?」
「しばらく現状維持の状態です、自治領となって国連から脱退か、大銀河帝国を国連に加入させるとかの話は進展していません。
国連が結果を出せなかった、中東の様々な問題を姫さまが奔走し解決の方向に向かわせたのですが、我々が国連に加盟したら確実に多額の分担金を要求して来るでしょう。
しかし、国連に分担金を払うより、地球防衛軍にその費用を回した方が有効だと考えています。
国連で漠然と使われるより、確実な効果を上げられますので。」
「では、自治領となって国連脱退の方向という認識のまま、お話させて頂いて問題ないのですね。」
「はい、他の自治領も賛成しています。
姫さまのお力で、国の再生が進んでいるとの認識が広がっていますので。」
「台湾の様な国が政治的な理由で国連に加入していないのは問題ですし、その辺りの事情が今後の大きな課題だと思っています。
台湾との国交はどうなっていますか?」
「中国の指導者は、自分達の思惑が帝国によって妨害されていると考えています。
台湾との関係性によっては対立を強める可能性が有り、今は色々分析をしながら、今後の展開を検討している所です。」
「中国へ遊びに行くのはどうです?」
「下手に動くと、中国国内で舞姫フレンズとなっている人達が迫害を受けるのではないかと心配していまして。
周辺諸国を中国との国境を意識しながら飛行船で回って頂くという案が出ていますが、まだ安全が確保出来ないと、もう少し時間を掛けて行く必要が有ると思います。
指導者は姫さまの影響を恐れていますので、真面目な話、隣国で有っても近づいたらミサイルが飛んで来る可能性は否定出来ません。
人が姫さまの影響下に入ると軍事的に役立たずになる事は広く知られていますので。
帝国領になりたがってる国には、中国から多額の借金を巧妙に背負わされた国も有りまして、難しい問題が色々有ります。
今の所、一番効果的な手段としましては、国家指導者の外国訪問時、姫さまに三十キロぐらいまで近くに行って頂くぐらいしか思い浮かばないのですが、それすら警戒されてる節が有りまして。」
「国から出ないのですか?」
「はい、今は南米旅行が制限されていまして、姫さまがファルコン号での旅を終え、専用機での移動になった時、彼らがどう動くのか注目して行く必要が有ります。」
「こっそり、違う飛行機で移動して見ますか?」
「姫さまはこっそり出来ません、直ぐに祝福を感じたとの情報が飛び交いますので、姫さまが今どこにいるのかなんて世界中の人が知っているのですよ。」
「う~ん、SNSの普及も良し悪しですね。」
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