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社-06 [シトワイヤン-28]

「なんか、そんな話ばかり嫌だな。」
「あっ、姫さま御免なさい。」
「和馬さん、もっと楽しい話題はないの?」
「有ります有ります、姫さまの縁で知り合ったカップルから、舞姫さまの社で結婚式を挙げられないかとの問い合わせが有りましてね。」
「結婚式か…。」
「智里にも予定有るの?」
「いえいえ、言い寄って来る人は少なからずいますが、何か違う気がしまして。
そう言う和馬さんはどうされるのです、清香さんと愛華さん、日本で重婚は違法ですよ。」
「事実婚で通す事になりそうだよ、想定される問題を、お金で解決出来るだけの余裕は有るからね。
清香と愛華の同性婚という選択肢も考えてはいるが。」
「和馬さんが仲間外れなのですか?」
「生まれて来る子達は私の子だからね。
けじめとして結婚式や披露宴はしたいと考えている。
入籍するのでなければ結婚式を挙げてはならないという法律はないだろ。」
「やはり舞姫さまの社でですか?」
「ああ、結婚式を挙げたいという問い合わせが有ってから、彼女達がその気になってね。
高齢出産は絶対避けたいから早めにとは話し合って来た、清香は苗川の社に結婚式場の併設を指示し、愛華は結婚式の基本プログラムを検討させてるよ。
二人とも社に於ける結婚式の形を、既存のものと違うオリジナルなものに出来ないかとね。」
「万里に祝福の舞を舞わせるとかは駄目ですよ。」
「そんな贅沢は許されないだろうが、二人には是非参列して頂きたいものだな。」
「話はもうそこまで進んでいるのですか。」
「出会ってから長いからね、二人と付き合っていることは、ずっと公言して来たから世間の反発は少なくなっているよ、多分。」
「でしょうね、相手に隠す形の二股ではないですし。」
「問題はだな。」
「問題が有るのですか?」
「舞姫さまの社を冠婚葬祭で使うと、いよいよ宗教団体みたいになってしまうということなのだが。」
「はは、万里も諦めてるのでしょ?」
「そうね、でも、あくまでも株式会社、宗教法人は立ち上げません。」
「税制面で優遇されるみたいだけど。」
「沢山稼いで沢山税金を納めれば良いのです。
節税だなんて小さいことを言い出すスタッフはいないでしょ?」
「かなりの投資をしてる筈なのに常に収入が上回ってますからね。
万里のお小遣いで買った潰れかけの店が直ぐに持ち直して利益を生み出すといった具合に。」
「株式会社舞姫はスタート時こそ苗川銘菓舞姫の商品化に時間が掛かったけど、後は順調に巨大化してるね、従業員も増えたのだろ。」
「はい、労働環境、労働条件を良くして来ましたので入社希望が多いのです。
今はその希望を叶えてあげる為に事業拡大という面が有るのですよ。
新しい事業所は分散させ苗川に集中させない様にしています。
観光客が増え過ぎていますからね。」
「姫さまが苗川に滞在中は特にな、でも姫さまが旅行中でもそれなりに観光客は来ていたみたいだね。
何でも聖地をゆっくり散策出来るチャンスなのだとか、リピーターの方々は初めて舞姫さまの祝福を感じた日のことを思い出しながらのんびりしていかれるそうだよ。」
「あっ、そうだったのですか、売り上げが落ちるから旅行に行かないで欲しいと言われない理由はそれだったのですね。」
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