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社-07 [シトワイヤン-28]

中東へはキャッシーが用意した舞姫さま専用機で。
最初に舞姫さま専用機の話を聞いた時は数人乗りのプライベートジェットをイメージしたのだが、苗川から一番近い地方空港で私達を待っていたのは、姫さまと智里専用の部屋を備えた七十人乗りの機体。
同行するスタッフのシートはファーストクラス用の物だが、姫さまのシートは、その体格に合わせて作られた特製だ。
フライト中の機内で…。

「この規模の専用機とはね、聞いていた以上の仕上がりで、アメリカの富豪はやることが違うわね。
姫さま関連で儲かってるからこれぐらいは安いものなのかしら。」
「でも利用頻度を考えると、もったいない気がします。」
「まあ、財政難に苦しむ日本の地方空港に格納庫を作り、使ってない時は見学も可能というスタッフからの提案を受け入れて貰えたから良いじゃないか、これなら見学だけでも充分客を呼べるだろ。
あまり飛ばさない方が長持ちすると言うし、姫さまに度々アメリカに来て欲しいというキャッシーの、気持ちの表れだからな。
MAIHIME TOWNの別荘も、姫さまの為に森と綺麗な水の小川や池を作ると言うし。」
「気候的にどうなのかしら、水の確保は出来ると聞いたけど。」
「不足する分は海水の淡水化装置を使うのだろう、自然のままに出来ないのは残念だが、森林火災で焼失した分には遠く及ばなくても森を広げて行きたいと話していたね。」
「雷対策や竜巻対策もしっかりして行くそうですが、そこまでして不便な所に町を作ると言う事に拘るのは何か有ったのでしょうか。」
「キャッシーは麻薬や覚せい剤、銃のない町を作りたいと話していただろ、その辺りに思いが有るのではないか。
町で働いてる人達はその考えに共感しているそうだ。
自由な社会だから町を隔離とは出来ないが、隣町からの距離が防波堤の役目を果たすだろうし…。
舞姫さまの社を目指して来る人に薬の売人はいないと信じたいね。」
「広大な私有地なのよね、行政との関係はどうして行くのかしら?」
「沢山税金を納めているだろうから上手くやって行くのではないかな。
州知事とも話し合ってるそうだよ。
日本の社みたいに観光客を呼び込むことになれば州としても嬉しいだろう。
すでに大きな投資をしている訳だからな。」
「大きいですが身内の企業でお金を回している様なもので、税金以外は舞姫さまを取り巻くグループの外へは出て行かないのです。
この事業は自分の資金が自分の枠内で移動してる感覚なのだと、キャッシーのお爺さまが話しておられました。
因みにユニットハウス関連で儲けさせて頂いてるうちの会社もその一部と認識されていて、舞姫さまグループの一員なのだとか。
メリットが有るのなら何時でも資本提携しようと話して下さいました。」
「間違いなく協力関係では有るからな、宗教法人ではなく株式会社を姫さまは望まれておられるのだから、巨大企業というのも…、世界に影響力を与えるレベルの巨大企業を誕生させることは不可能ではない…、問題は独占禁止法かな。」
「一つの企業にするのでなく、企業が姫さまの名の下に協力関係を築いて行くということなら、巨大企業以上に大きく出来ませんか?」
「そっか、キャッシーのお爺さまと清香や清香のお父さまは、資本的に全く提携していなくても、MAIHIME TOWNやこの専用機関連で協力してる、こんな関係が世界に広がれば地球市民党の理念も広がりそうね。」
「舞姫さまの名の下にか…。」
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