再生-467

「市政の現状分析が進まないと、政治団体としてどう動くべきか定まらないのよね。
　財政に余裕は有るのか、税金は正しく使われているのか…。」
「担当部会の人達は頑張ってくれてると思うよ。
　ただ予算の内容は多岐にわたるだろ、規模の近い複数の市の財政も並行して調査を行い、比較しながらだから時間が掛かるのは仕方ないさ。
　他の市と比べて予算額が多過ぎる事業が有れば、市会議員に調べて貰い、そこから問題点が見えて来ると思うんだ。」
「市の財政って市長の権限が大きそうだけど、あそこの市長はな…。」
「何か感じたのか？」
「話し方がね、幾つか見せて貰った映像ではパワハラしててもおかしくないと感じさせられたの。
　実際にはどうなのか分からないから何とも言えないのだけど…。」
「市長なんて、あんなものかと思っていたよ。
　念のため市役所での評判とかを調べて貰っておこうか。」
「そうね、徹底的に分析し、場合によっては次の選挙で落選して頂く。
　勿論次の市長には私達の仲間にって筋書きでね。」
「叩けば埃の出る人なのかどうかだが、花鈴の直感は良く当たる。
　担当部会の人達に伝えておくよ。
　直感って話すけど、それなりに分析してるのだろ？」
「まあね、善意の塊みたいな大人もいれば、少し観察しただけで私利私欲優先の人だって気付かせてくれる人もいるのよ。」