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新学期-396 [花鈴-40]

「一人一人個性が有って違うのにまとめて教える学校環境には無理が有るし、間違った平等意識が無駄な学習環境を生み出しているのよ。」
「ですね、姫さまから個別のクエストを指示されてた二年生は、まさにゲーム感覚で学習に取り組んでいました。
 でも個別にプログラムを用意するって大変では無いのですか?」
「昨年度やってたことを進化させただけです。
 一人一人の能力や好み、性格を把握していれば、そこまで大変な作業では無いのです、算数だけですから。」
「成程、普通の小学校では皆が同じ所を学習していますが、ここでは理解したら先へ進むことが出来る。
 本当の意味で能力を伸ばす教育環境だと感じました。
 ただ、それが優越感や劣等感を刺激、それを嫌って一般の公立小学校では行えないみたいです。」
「そんなの同じテストを受けていれば普通に感じることでは?
 優越感や劣等感とどう向き合って行くかを考えた方が建設的だと思いません?」
「言われてみればそうですね、いじめが無くならないのは人間の本能が関係してると聞いたことが有りますが…。」
「他者より優位に立つことで集団内で自分の地位を上げる。
 様々な場面でより上の立場で有りたいと考えた人達が人間社会を進化させて来たのですよ。
 逆に言えば優越感や劣等感を否定してしまったら、人から向上心を奪うことにも成り兼ねません。
 過度の競争社会は良くないですが、人は競争の中で成長するのです。
 心の弱い子には、無理しなくて良いんだよ、と言ってあげますが、元気な子には競争する機会が多く必要なのです。」
「運動会の有り方が変化したと聞いていますが…。」
「勝つ喜びだけでなく、負けることを知る、自分の能力を知る、それが運動会の目的だと考えています。
 挫折を知らずに大人になると、少しの挫折で大きなダメージを受けるそうですね。」
「あっ、そんなことを聞いたことが有ります…。
 姫さまと話していると今の公立小学校が心配に。」
「多くの子はそれなりに逞しいから大丈夫ですよ、まあ無駄の多い授業を受けさせられて能力を伸ばす機会を奪われている子が少なくないのは残念ですが。」
「無駄の多い授業ですか…。」
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