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新学期-395 [花鈴-40]

 美礼の手伝いを大学生にも振った所、興味を持ってくれる人がいて台本作りは順調に進んでいるのだが、その大学生達は教育に関する研究で苦労しているみたいだ。
 大賢者や美礼と言ったギフテッドの子と普通の子達、その両方に気を配らなくてならない。

「丸田さん、教育実習は如何です?」
「思っていた以上に特殊だと感じています。
 ギフテッドの子だけでなく授業とは関係なく学習を進めている子がいますから…。
 でも、その子達の学習効率を考えたら悪くないです、一般の小学校ではクラスで学力が偏らない様な学級編成なので、学力の高い子が時間を持て余し、学力の低い子はついて行けません。」
「いじめが起きそうだとは?」
「姫は人気者ですから問題ないと思いますが、他の子達は微妙ですね。
 絵梨さんは強いので跳ね返しているみたいですが美礼さんは嫉まれているみたいで…。」
「そんな場面を目撃?」
「ええ、どう対応すべきかを合宿所メンバーと検討しています。
 美礼さんは学力的には小学校へ通う必要の無い子だと判断していますが、小学校は学力を伸ばすことだけを目的としてる場では有りません。」
「私が命令すればとも思うのだけど、それは違うと思っていまして…。
 大学生の研究を邪魔することにもなりますし。」
「姫さまと言う特殊な存在も、また私達の研究課題となっています。
 教師以上に信頼されてる小学六年生なんて全く想定していませんでしたから。
 勿論、姫さまのことを知った上でここに来たのですけど。」
「わざわざこんな田舎での教育実習を選んだのは?」
「姫さまのことをもっと知りたかったからです。
 今年度から兎沢小学校では常に教育実習生を受け入れて下さることに成りましたので、姫さま効果で希望者が多いのですよ。
 ギフテッドの子が複数通う小学校と言う特殊性が将来役に立つのかは微妙だとは感じましたが、姫さまの教え方からは学ぶべきものが多いと先輩に教えられまして。」
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