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新学期-369 [花鈴-37]

 株式会社花鈴に興味が有るのならと会う事にしたのは中学一年生の谷川昴さん。

「谷川さんは株式会社花鈴に興味が有るそうだけど。」
「谷川くんで良いよ、歳もそんなに違わないのだから、慣れたら昴で構わない。」
「そうね、私のことは花鈴で良いわ。」
「いやいや、そこは姫さまでしょ。
 中学の子達も姫さまと呼んでるし、町の人達も。
 YouTubeチャンネルで感じてた以上に姫さまなんだなって感じててね。」
「まあ、良いけど。」
「株式会社花鈴のことはYouTubeを通して知ったのだけど、子どもでもしっかり働いていて憧れたんだ。
 人より高い能力を持っていても、それを活かす場が無かったら面白くないでしょ。
 その点、株式会社花鈴なら自分を活かしてくれそうな気がしてね。」
「ええ、取り敢えず中学生社員なんて道を考えてるだけど、どう?
 転職は自由だから。」
「話が早いな、僕は何をしたら良い?」
「得意分野は?」
「芸術分野もそこそこ出来るけど、小さい頃から打ち込んで来た天才には歯が立たない、それ以外ならテーマを決めて貰って学習すれば何とかなると考えてる。」
「じゃあまずはYouTubeチャンネルを立ち上げて自分の給料以上を稼いで貰おうかな。」
「自分の給料以上?」
「会社の資金を使ってチャンネルを運営してるのだから、自分の給料分だけ稼げば良い訳では無いの。
 特に我が社は過疎地の活性化を目的としてるから、給料の何十倍も稼いでここに投資する手伝いをして欲しいの。」
「成程、お小遣いをここに投資してるとYouTubeで話してたのはそんな感覚なんだね。
 自分はお金に困ってる訳では無いから給料とか考えて無かったけど、絵梨さんがお金は大切だと話してたのを思い出したよ。」
「子どもでも社会の一員として働きその対価を得、それを自分や周りの人の為に使うと言う経済活動を行って良いの。
 既に充分な能力が備わっているのなら。」
「うん、お兄さんが通信制の高校を選択したのは、変に拘束されずに自分の力を試したいからだと聞いたよ。
 自分も同じなんだ。
 資格マニアの話も聴いてるから、必要な資格を取る事に何の抵抗も無いからね。」
「では、社長に紹介するね。
 その後ご両親を交えて社員と契約について相談。
 早ければ来月から、谷川くんのYouTubeチャンネルを立ち上げるってことで良いかしら?」
「即断即決か、普通の子ばかりの中学で少し残念な気持ちになってたけど、何かワクワクして来た。
 姫さま、これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ、でも親しい人達は姫さまでは無く、姫、だからね。」
「承知しました、姫。」
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