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新学期-367 [花鈴-37]

「そんな人がどうして?」
「高い才能を持つ子ども達への支援を考えておられて来たのだけど、ここは周りの子に馴染めなかったギフテッドの持ち主を積極的に受け入れて行こうとしているでしょ。
 彼自身、孤独な子ども時代を経験したそうで、気に掛けて下さってね。」
「へ~。」
「英語圏を中心に、ここへの留学なんて話も出ていて、彼の別荘近くに、そんな留学生向けの宿舎を建てる計画も有るの。」
「国際交流が出来るのね。」
「ええ、私は彼の財団から紹介された人とネット上での交流を開始、一番下は六歳で上は二十六歳、様々な分野のエキスパート達なのだけど、彼らに社会学の視点から助言して欲しいと言われたのよ。」
「社会学?」
「人間社会、全てのことを研究対象にしている学問分野なのだけど、周りの人と接することに戸惑いを感じてた人達に、社会の中でよりスムーズに生きて行く為のヒントをね。」
「助言してるの?」
「まあね、得意分野では誰にも負けない人達でも、他人との付き合い方が分からなかったりするのよ。」
「それはとても良く分かるわ、同い年でも幼過ぎる子と何を話して良いのか分からなかったもの。
 姫はどうしてたの?」
「保護者目線かな。
 算数を教えて上げたりしながら観察者に徹するって感じでね。
 社会集団のことや人を観察することを、小学校に入学してから教えらて来たの。
 美礼も同級生と友達になるのは不可能だと感じたのでしょ?」
「うんうん、ここに転校して来て初めて同級生の友達が出来た、絵梨とは気が合うのよ。」
「でしょうね、絵梨は私の親友第一号でも有るから、これからよろしくね。」
「うん。」
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