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新学期-362 [花鈴-37]

 車が無いと不便極まりない田舎にとってガソリンスタンドは重要な存在なのだが、過疎化に加え低燃費の車が増えただけでなく、四十年以上経過した地下タンクについては改修か取り換えが必要になり、その費用負担が重荷になっての廃業と言うケースもある様だ。

「姫、ガソリンスタンドの買収計画は進みましたか?」
「里中さんも気になっているんだ。」
「勿論です、車の燃料だけでなく農機具の燃料も必要、それを遠くまで買いに行かなくてはならなくなったら、その分、時間とガソリンを多く使うことになります。
 ただでさえガソリン価格が高騰しているのですから。」
「うちの家族会議でも話題にしたのだけど、折角移住して来てくれた人達に不便な思いはさせられないと父が話してくれてね。
 思い切った初期投資を考えると私のお小遣いだけでは、とても足りなさそうだから、設備を父の会社で作って貰い、運営を我が社が担うみたいな方向になってるの。」
「それは心強いですが、思い切った初期投資と言うと?」
「電気自動車の充電をしてる間に、買い物や飲食出来る環境は必要でしょ。
 プロパンガスや水素を扱うにしても狭い所に危険物を集め過ぎるのもどうかと思うのよ。
 それぞれが近くに有った方が便利と言う訳でも無いのだから。」
「ですね、水素ステーションを造るとして、その需要は伸びそうなのですか?」
「まだ微妙だけど、災害時や停電時の発電燃料にも使えるのだから、これから可能性を広げて行きたいかも。
 ガスに関しては、ここは都市ガスでは無くプロパンばかりだから、今供給してくれてる会社と相談。
 どんと大きく運んで貰い、それを我が社で各家庭へとかの検討を始めて貰ってるの。
 何にしても危険物取扱者の資格を色々取って貰う方向で動き始めているから、具体的な話が出て来たら協力、お願いね。」
「分かりました、資格取得に向けての学習をより効率良く出来る様に考えておきます。」
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