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三学期-356 [花鈴-36]

「花鈴が出演した番組は全部見させて貰ったぞ。」
「お父さん、あんな感じで良かったのかな?」
「ああ、真面目なだけの小学生では面白くないからな。
 当然SNS上には生意気だとか批判的な書き込みも出て来てるが、そんなのを気にする必要は無い。
 大物は細かい事を気にしてはいけないのだ。」
「その辺りは理解してるけど、悪口を書かれていると思うとちょっとね…。」
「見なきゃ良いのさ、ただ、視野の狭い連中の書き込みに対して花鈴姫を擁護する書き込みが沢山有り、我々の作戦は成功しそうだよ。」
「可愛いだけの女の子よりは注目して貰えてるってこと?」
「ああ花鈴が『社会学的に考えて』と話したことを理解出来た人達が少なからずいるのさ。
 社会学的に考える小学六年生として四月からは取材が増えるかもな。」
「そのまま店や株式会社花鈴の宣伝になるのなら良いのだけど…。」
「我が社の社員達からは知的な姫として高評価を得たみたいで、花鈴と株式会社花鈴を我が社のイメージアップ戦略の柱に据えるべきとの声も上がって来てたよ。」
「今でもイメージは悪くないよね?」
「まあな、だが、子会社を利用してのイメージアップが更なる売り上げアップに繋がれば、この地への投資なんて安いものとなるからな。」
「私は、お金を貰って会社の宣伝をして貰える存在に成れるのかしら?」
「ああ、今まで花鈴は社会学について熱心に学んで来たが、そんな小学生なんて僅かだろうし、こんなに可愛いと有ればマスコミが注目して当たり前。
 花鈴、今以上の有名人になるかもだけど、心の準備は出来てるか?」
「まあね、新店舗の宣伝をマスコミからお金を貰って展開して行くと言う、お兄ちゃんからの案を受け入れてから色々調べ考えたのよ。
 社会学的に考えても、上手く行けばマスコミを最大限に活かせる取り組みだと確信はしてるの。
 でも人には話さないでね、嫌な子だと思われそうだから。」
「う~ん、そこは微妙だな。
 社会学的に考えられる小学生として、更にアピール出来るかもだぞ。」
「まだ株式会社花鈴の会長として、私がどんな評価を得てるとか把握出来て無いの。
 大賢者みたいに単純なギフテッドではないでしょ、私は。」
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