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三学期-329 [花鈴-33]

「薫はバランスの取れた頼れる常識人だものね。
 どうしてそんな風に育って来たの?」
「絵梨もだろ、同年代と遊ぶことが無く、音楽を通して歳の離れた人達と付き合う事が多かったからで…、絵梨は両親の影響なのか?」
「そうね、長女として小さい頃から家の手伝いをしていたし。
 最近は大学生からも影響を受けてるのかな、姫もでしょ?」
「私の場合は会社の人達から学んだ事も多いかな。
 ひろっちのお父さんには本当にお世話になってるのよ。」
「ひろっち、お父さんは家でも優しいの?」
「うん、絵梨んちのお父さんと同じだよ、特にここに越して来てからは僕のことを一人の人間として認めてくれてる、子ども扱いされることなくね。
 五年生になったと言う事も関係してるのだろうけど、姫に導かれて真面目にやってるからかな。」
「ひろっちは子どもっぽい行動を取らないものね、誰かさんと違って。」
「どうせ僕は子どもですよ~。
 子どもは子どもっぽくて良いのだぞ。」
「全然問題無いけど、大賢者も、もうすぐ六年生、最上級生になるのだから、その自覚だけは持ってね。」
「はい、姫さま、心掛けまする~。」
「ここの子達って何故か姫の前だけでは良い子なんだよな。」
「ホントにそうよね、私には悪戯して来る子も姫にはしない、どうしてなのかしら?」
「私は親が言い聞かせてると聞きました、大社長の娘さんで姫さまなのだから失礼の無い様にと。
 この地が賑やかになりつつ有るのは大社長一家のお陰なのですから。」
「うんうん、Lilyが言ってることはホントだよ、僕等がこうして仲間に成れたのも大社長のお陰だものな。」
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