SSブログ

三学期-320 [花鈴-32]

「余裕…、心の余裕か…。
 ひろっちは小さい子達の我儘とかも広い心で受け止めてるけど、僕には無理だよ。」
「無理無理、大賢者はお子ちゃまですもの。」
「そう言う絵梨はどうなんだ?」
「妹や弟の面倒を見て来たから大賢者よりは大人に近いと思うわ。」
「そっか、一人っ子は兄弟の感覚が分からなくて…。」
「下級生を弟や妹だと思って可愛がって上げれば良いのよ。
 悪い事をした時には諫める必要が有るけど。」
「絵梨の言う通りだと思うわ、私達は集団の中で色々な事を学んでいるの。
 人間関係は、その中で最も大切なことでね、特に大賢者の様に特別な才能を持った人は注意深く有るべき、感覚のずれから誤解されることが出て来かねないのだから。」
「感覚の違いか…、確かに、どうしてこんなに簡単なことが分からないんだ、って思う事が有る。
 そこから人間関係を悪く…、していたのだろうな、前の学校では。」
「ここでは問題無く?」
「ああ、薫、ここでは姫が間に入ってくれ、クワガタ捕りを教えてくれる子とかもいるからね。」
「ピーマンの会メンバーだけでなく、他の子とも付き合いが有るんだ。」
「多くは無いけど、話題の合う子は居るよ、薫はこれからか?」
「どうなるのかな…。」
「薫は無理して小学生と付き合う必要はないと思うわ、中学生の友達を作るのは有りだと思うけど。」
「姫、そんな切っ掛けなんて有りませんよ。」
「中学校にも移住して来た転校生が居てね、薫は年上に可愛がられるタイプだと思うの。」
「可愛がられる…、ですか…。」
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。