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三学期-319 [花鈴-32]

「それを冷静に指摘する所が薫の長所よね。」
「長所なのかな、あまり考えた事、無かったけど。」
「今のは大賢者の気持に配慮しつつ、絵梨に考えて欲しいと思っての発言でしょ?」
「まあ、そうなるのかな。」
「四月からは私達が小学校の最高学年になるのだから、そう言う視点は必要、薫の存在は大きいと思っているのよ。」
「あまり期待されても…。」
「今まで通りで良いの、今年度転校して来た子達は皆ここに馴染んでくれてるからね。
「あっ、そうだよな、あまり意識して無かったけど、自分が転校して来るまでに何人も転校して来ていたと聞いてた。
 皆、普通に仲良しだから、その辺りもピーマンの会メンバーが影響を与えていたのかな?」
「うん、でも、転校すべき環境にいた子が何人かいたのだよね、姫?」
「ええ、この学校ではいじめをしたら恰好悪いと皆から指摘される、それだけでも違う。
 薫、この兎沢小学校はなかなかの物でしょ?」
「だな、ここへの転校に躊躇した自分がバカだったよ。
 四月から転校して来る子もいると聞いたけど。」
「移住事業は継続的に続いて行くから、問題の有る子が転校して来る可能性も有るけど、よろしくね。」
「ああ。」
「六年生となって下級生の面倒をみる、今までは六年生の立場に配慮する必要が有ったけど、それが無くなるのだから頑張りますよ、姫。」
「ひろっち、お願いね、でも無理はダメよ。」
「無理なんてしません、余裕が無いと良い仕事は出来ないと父から教えられていますから。」
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