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三学期-318 [花鈴-32]

「語学って微妙なのよね。」
「どこが?」
「例えば、大賢者がアメリカに住んでたら自然と英語が身に付いてたと思わない?」
「言われてみればそうだよな、Lilyが英語を話せるのもカナダで普通に使っていたからで…。」
「ええ、私はたまたま日本語とカナダ英語を使う環境にいたから二か国語を話せるだけなのよ、それが特別なことだとは思わずに。」
「でも、日本ではとても特別なことだわ。
 英語の学習をしていても普段使わない私達では本当の意味では身に付かないから。」
「だよな、英語で話す時は英語で考えるのが一番と教えられても、聴いた英語を頭の中で日本語に直してから英語で答えることを考えてしまう、Lilyの頭の中はどうなっているんだ?」
「一応切り替えられてはいるのだけど、たまに混乱することは有るのよ。
 英単語としての意味と日本語として扱われている言葉の意味に違いが有ったりしてね。
 和製英語何てのも有るし。」
「Lilyは日本に来て色々戸惑ったのだろうけど、もう慣れたの?」
「ええ、ここに来るまでは色々嫌な思いもしたけど、ここでは姫だけでなく皆に助けられて…。
 そんなに特別な能力を持ってる訳では無いのに、ピーマンの会の一員として貰えて。」
「いやいや、二か国語を普通に話せるだけで凄いと思うし、漢字の検定にも挑戦してるのだろ。
 僕は普通に尊敬してるよ。」
「尊敬?
 好きだよって言って良いのよ。」
「えっ、ちょっと…。」
「赤くなって可愛いぞ。」
「う~ん、その辺りの無神経さが絵に描いた梨の欠点だよな。」
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