SSブログ

三学期-313 [花鈴-32]

「農業公園として花を植える事も考えてるのかな?」
「勿論よ、花の苗を育てている農家も有るのだから。
 オクラの様に花が綺麗な野菜も存在するのだけどね。
 花木も植えるし、勿論果樹も。
 大学の農学部と協力出来たらと考えてるのよ。」
「農学部と?」
「品種改良とかね、大学で農場を持っていても、こことは環境が違う、その辺りを交渉材料に進めて貰っているの。
 大学側としても研究施設を充実させられる事が出来たら嬉しい筈でね。
 今も大学生が教育関係中心に研究の為ここに滞在してるでしょ。
 そこに農学部が加わったら更に楽しくなると思うわ。」
「合宿所を利用してる人の中には竹林再生ボランティアも居るのですよね?」
「ええ、どう言う形で有れ、ここにやって来る大学生の人数が増える事は良い事だと思わない?」
「ですね、若い人が来るようになり活気が出て嬉しいと話して下さる方がおられました。」
「Lily、そこなのよ、お年寄りしかいない風景にしてはならないの。
 その先に有るのは限界集落からの廃村しかないわ。
 このエリアは不便過ぎる限界集落以外、既に廃村となってる所でも再生したいと考えていて、移住して来る人達の為に宅地の整備計画を進めているのよ。
 特に地形的に水害や土砂災害に合いにくい場所を優先的にね。」
「そうか…、川から離れ崖も無い土地だから安心して住めるとお父さんが言ってたのはそう言うことなのか。」
「でもね、薫、順調に人口が増え続けたらそんな土地はすぐに無くなってしまうの。
 だから、ここの最終的な人口を何人ぐらいにするのが妥当か、何て研究も始まっているのよ。」
「それって、物理的な問題だけで無く社会学的な要素が絡んで来るよな。」
「ふむ、大賢者も分かって来たのね。
 健全な地域社会はその年齢構成まで意識する必要が有って簡単な事ではないの。
 子どもにとって通学が負担になっていると親が感じたら都会への移住を意識すると思わない?」
「そうだな、自分の場合は都会の小学校が負担と言うか合わなかった…、だからと言って田舎の小学校なら何処でも良いとは考えられ無い。
 大きな声では言えないが、ここへ移住し集まったメンバーが良過ぎたから、自分にとって最高に楽しい小学校な訳で。」
「だよね、でなかったら僕は『ミラクルプリンスひろっち』何て作曲してないよ。」
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。