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三学期-311 [花鈴-32]

「本社業務をそのままにして本社所在地を過疎地に移すって?」
「例え田舎で有っても、そこに本社が有る、とすれば、その会社が納める税金はその自治体に納められることになるのよ。
 お父さんの会社移転によって、ここの税収は増えてるの。
 つまり企業がその本社所在地を過疎地に移すだけで過疎地にとって有難いことなのよ。」
「そっか、ここに来なかったら、そんな社会の仕組みに触れることなく…。」
「情けない大人へ一直線だったかもね。
 大賢者は少々天狗になってたのでしょ。」
「かもな、数学に関して周りの小学生とはレベルが違い過ぎてたから。
 でも、社会の事に関しては、姫に教えられるばかり…。
 それで、小学生社員は何をすれば良いの?」
「そうね、ひたすら理想の農村について語るとかどうかしら。
 実現出来るかどうかなんて無視して。
 大人が考えると、実現が難しいと思った時点で思考が止まってしまうの。」
「姫は、この地を理想の農村としたいのか。」
「まあね、でも、ここでは観光をメインに考えてるから…。
 観光抜きでも盛り上がれる農村が、一つのテーマなのよ。」
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