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三学期-310 [花鈴-31]

「視野か…、自分は他の子とは違うと感じて育って来たけど、姫達と出会うまでは視野が狭かったと思ってる。
 ここに来なかったら、例え数学の学者に成れたとしても視野の狭い人間のまま問題の有る恥ずかしい大人に、なんてことを考えていたんだ。
 姫が会長をやってるぐらいだから僕らが社員になるのも有り、Lilyも社員になるのだろ?」
「国内留学企画を提案して置いて自分は手伝いません、何て情けない子では有りません、私は。」
「大賢者とLilyは決定なのね、私は給料次第かしら?」
「絵梨はお金に拘ってるけど何か理由が有るのか?」
「親に養われている状態から自立したいの、その方が恰好良いでしょ?」
「自立?」
「自分のことを自分で全部出来たら大人、中学生になるまでにはそんな風に成りたいかな。」
「一人暮らししたいとか?」
「そうでも無いのだけど、私は大人を目指して来たのよ。」
「確かに絵梨は大人だと思うよ、弟や妹の面倒を見てるし、お母さんとも対等の関係を築いている。
 作文を書けば小五の作だとは思って貰えないしな。」
「有難うございます、大人の真似事が好きだと言われてた頃も有ったのですが、最近は大人扱いしてくれる人が増えて来ました。」
「それだけの働きをしてるのだから当たり前だよ。
 会社を立ち上げたいとか思ったら私に相談してくれな。」
「は、はい、まだ、そう言った計画は有りませんが、将来的には…。
 今は株式会社花鈴を盛り立てることに力を注いで行きたい思いが有るのです。
 両親とも、過疎地の再開発について話し合うことが有りますので。」
「日本中に過疎地は有る、この地だけでなく広い視野で過疎地の問題と向き合ってくれるかな?」
「はい、YouTubeチャンネルを通して情報を貰っています。
 全ての大企業が本社業務はそのままに、本社所在地を過疎地に移したら国内バランスが良くなる何て提案が有りまして、そんな案が出て来るのも大社長がここに本社を移転したからだと思うのです。」
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