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三学期-308 [花鈴-31]

「相性は分からないけど、作詞に関しては皆から案を貰えたからね。
 ひろっちには悪かったけど、ひろっちと言う語感が良かったし、敵を作らないひろっちの人柄の良さは誰もが…、姫の様に目立ってはいないけど誰もが認めていると思うの。
 まずは我らが兎沢小学校の愛唱歌としたいわ。」
「ひっそりと姫を支える存在で有りたかったのだけどな。」
「ひろっちは今まで通りで良いの、目立たない所で活躍してたひろっちの事を皆が認識する、そこが大切でね、大賢者や薫、Lilyの様な特別な能力を持って無さそうなひろっちを目標にして欲しいと言う意味合いも有ったの。
 ひろっちの能力は目立って無かったから、自分もってなり易いのよ。」
「姫、良く分からないです…。」
「一般人にとって薫や大賢者、Lilyは別世界の人間、でも、ひろっちは優秀だけど普通の人って捉えられているのよ。
 だから、より身近に感じられるだろうし、その真面目さをお手本にして欲しいと思ってね。」
「確かに、大賢者の真似は普通の小学生には無理だ、その点、ひろっちは努力の人だからな。」
「でも、やはり基本的な能力は高いわ、算数を教えてると基礎的な能力差を感じるのよね。」
「うん、テストの成績が悪い子に努力が足りないと言う大人が居るけど、そんな単純な話では無いのよ。
 分からない事を理解しろと言われても無理な子がいるし、大体四月生まれと三月生まれでは生まれてから十一か月の差が有って、その差は小さくないのよね。」
「そうなんだ…。」
「まあ、大賢者には理解出来無いだろうけど。」
「否、ここに来るまでは周りが見えて無かったから全く理解出来なかったけど、人それぞれ得意不得意が有るって分かって来たよ。
 僕だって、運動能力に関しては最下位グループだからな。」
「音楽や絵も得意では無いでしょう?」
「ああ認める、その点薫は凄いよな。」
「いやいや、数学は大賢者の足元にも及ばないし、会社経営に携わっている姫のことは尊敬してる。」
「たまたま、そう言う環境下で生まれ育っただけのことよ、ね、お父さん?」
「ああ、しかし君達は互いを尊敬し尊重し合っている素敵なチームなのだね。
 やりたい事が有ったらどんどん提案して欲しいかな、お金の掛かる事でも全面的にバックアップしたいと思っているんだ。」
「それでしたら…。」
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