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三学期-307 [花鈴-31]

 作詞作曲には大人達からの助言を貰った。
 例えば…。
「絵梨ちゃんなら分かって貰えると思うけど日本語を大切にしてね。」
 と話したのは私の母。
「どういう事です?」
「昔ヒットした曲に、なごり雪と言う曲が有ってね、悪くは無いのだけど…、なごり雪も降る時を知り、ってフレーズが有るのだけど、なごり雪も降る時、お尻、って聴こえたの。
 日本語のイントネーションを無視して曲を付けた結果ね。」
「あっ、聴いたことが有ります、私にもお尻って聴こえました。
 そっか、日本語のイントネーション…、ねえ薫、作曲する時に気を付けられる?」
「イントネーションなんてことは、今まで歌の作曲に取り組んで来なかったから意識して無かった、試作を聴いて変な所が有ったら修正して行くから言ってね。」
「英語版も作ると聞いたが、無理に同じメロディーにしない方が良いかもだぞ。」
 とは、父。
「クラッシックの曲や英語の曲に対して、無理やり日本語を当て嵌めて違和感しか感じない歌も存在するんだ。
 日本語版ドレミの歌は、英語の歌詞を知ってる花鈴にとって歌いたくない曲なのだが、歌詞を訳詞では無く全くの別物にしたことで成功したと言えてね。」
「Lilyは、どう思う?」
「日本語と英語は全く違う言語ですから、薫くん、手間が掛かるかもだけど良いかな?」
「勿論さ、姫も日本語版ドレミの歌は好きじゃないんだ。」
「何かダサくない?」
「だよな、ダサくならない様に気を付けるよ。
 歌はピアノ曲を作るのとは違ったハードルが有るけど、それが面白い。
 言葉を大切にしつつ、言葉遊び的な要素を入れられたらと、絵梨の詞は韻を踏んでて良いんだ。」
「そう言うのが無いと小学校で歌って貰えないでしょ?
 韻を踏むことはお母さんに教えて貰ってね、試作曲でも意識してたのだけど、もう一度見直してみるわ、皆も面白い表現が有ったら宜しく。
 それに合わせてメロディーの修正は出来るのでしょ、薫。」
「ああ、頑張るよ。
 仲間と作る曲なんて今まで考えたことも無かったから楽しくてね。」
「ふふ、うちのお兄ちゃんも試作曲を褒めてたのよ。
 作詞と作曲の相性が良いとね。」
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