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三学期-306 [花鈴-31]

 新曲、ミラクルプリンスひろっちには、約一名から抗議の声が上がったが、敢えて姫として押さえつけた。
 人柄の良い、ひろっちの普段をデフォルメした曲は絵梨と薫の合作だが私達も曲作りに参加した。
 只の小学五年生がヒーローとなる歌は詞の面白さと曲の楽しさで是非ともヒットさせたいと思う。

「お兄ちゃんはこの曲、どう思う?」
「行けると思う、小学五年生が完成させた曲とは思えないレベルで仕上がっている、YouTubeチャンネルだけで行くのか?」
「YouTubeで伸びたら色々、これで稼げると楽になるのだけど。」
「過疎地の再生なんて金が掛かるばかりだからな。
 それで、大賢者、ひろっち、薫の内、花鈴の本命は誰なんだ?」
「本命って?」
「一番好きな男の子。」
「そう言われても…、薫は絵梨のことが気になってるみたい、大賢者は自分に無い物を持ってるLilyに魅かれてるみたいで、ひろっちは私のことを何時も気に掛けてくれてる。
 でも三人とも大切な仲間かな。」
「恋心は芽生えてないのか?」
「薫が私にピアノ曲をプレゼントしてくれたのは嬉しかった、大賢者は同志…、三人とも好きなの。」
「本命はひろっちかと思っていたのだけど。」
「優しくて安心出来るけど、まだ恋なのか良く分からないかな。
 でも、仲の良い友達で有ることは間違いないわよ。」

 お兄ちゃんには、そんな風に話したけど、私はひろっちのことが好きなんだと思う。
 曲作りの提案は薫と絵梨の時間を増やしてみたいと考えてのことでも有るし、大賢者にはLilyとの時間を作る様に仕向けている。
 まあ、全員が仲良しなのだから特にどうとかないのだけど、そんなことも考える様なお年頃なのです、私達は。
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