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三学期-305 [花鈴-31]

「ねえ、その曲の前に、ひろっちを主人公にした歌って作れないかな。
 普通に真面目な男の子を題材として。
 兎沢小学校の子達にとってイメージし易い存在を主人公にした方が親しみ易いでしょ。」
「うん、有りかもね。」
「有りだな。
 練習として作曲してみたい。」
「まずは兎沢小学校の子達に受け入れて貰える詞を作れないことには、ヒット曲なんて無理だわ。
 ひろっちの日常は良く知ってるから、それを誇張すれば良いのよね。
 本人の気分を害することが有っても、それを歌い広めるのが姫なら彼は絶対文句を言わないから。」
「彼は、嫌々転校して来た僕に色々気を遣ってくれ、不機嫌な自分がそっけない態度を取っても嫌な顔一つせず接してくれたからな。
 あの頃のことを謝ったら気にしないでと言ってくれて、ちょっと尊敬してるんだ。」
「ちょっと現実離れした内容にして皆の反応を見たくも有るのよ。」
「現実離れ?」
「ひろっちがヒーローとして活躍する、私達のグループではあまり目立たない存在だらこそ、面白い歌が作れたらインパクトが大きいと思ってね。」
「そうね、カッコ良い、カッコ悪いを教える歌を作るとしても、そのベースに目立たないヒーローの存在が有るのは良いわ。
 姫の僕として動くことに喜びを感じている変態でも有るのだけど。」
「おいおい、変態は言い過ぎだろ?」
「まあ、姫のことが好き過ぎるのかもね~。」
「私も彼の事は好きよ。
 だから楽しい曲を作って貰えたら嬉しいかしら。」
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