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三学期-302 [花鈴-31]

 当初の予定より遅れて転校して来た杉本薫君が私達と馴染むのには時間が掛かった。
 前の学校で色々有ったらしく警戒されたのだ。
 それでも、数学関係で大賢者と話す様になり、絶対音感の話をしてくれる様になって私達と馴染んでくれつつ有る。

「薫、ここでの生活はどう?」
「悪くないかも、自分と話の合う人が複数いる小学校がイメージ出来なくて学校に通うことを拒んでいたのが間違いだったと気付いたよ。」
「やはり不登校だったの?」
「うん、算数の授業を受けるの何てバカバカしいと姫も思っていたのでしょ?」
「ええ、簡単過ぎる事に何時間も拘束されるなんてね。
 ここは教頭先生が協力的だったから、私達は自由を勝ち取れたの。」
「大変だった?」
「そうでも無いかな、お父さんを含め協力的な大人達が色々動いてくれたからね。」
「転校して来たばかりの頃は、こんな田舎暮らしはと思い姫にも失礼な態度を取っていたと思う、御免なさい。」
「気にしなくて良いのよ、ここがそんなに悪くない土地だと気付いてくれたのでしょ?」
「都会で暮らしてる時は田舎暮らしなんて考えられ無かったけど、全然不自由無く景色が良いし、姫や大賢者達が親切にしてくれて。」
「そう言って貰えると嬉しいわ。」
「僕も姫達の活動に参加したいと思い始めてるのだけど。」
「有難う、勿論大歓迎よ、私としては音楽の才能を世に知らしめて欲しいかな。」
「あまり期待されても困るのだけど…、花鈴姫をイメージした曲を作ったんだ、聴いてくれるかな?」
「勿論!」
「じゃあ音楽室へ。」

 薫君のピアノ演奏はとても素敵だった、惚れてしまうって…。」
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