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正月-294 [花鈴-30]

「そうだな、姫は特別な存在、自分が小学五年生だった時とは全く違った事を考え人々を動かしている。
 単に血筋だけの姫に仕えるなんて考えられないけど、花鈴姫になら仕えたいかも。」
「株式会社花鈴への就職希望か?」
「そうだな、この合宿所での生活を経験してから自分の価値感が変わって来たんだ。
 満員電車で通勤する都会暮らし、一流企業での仕事では得られないものがここには有るだろ?」
「この新年会に参加してる俺達は姫によって洗脳されてるのかもな。」
「洗脳だなんて…。」
「人としての幸福を金に求めるのか、豊かな自然に囲まれた暮らしに求めるのか考えさせられた。
 ブラック企業で働くなんて考えられないが、優良企業で有ったとしても上司の顔色を伺ってとか。」
「株式会社花鈴の人達は心に余裕が有るからか皆さん笑顔なのよね。」
「一流企業の競争社会で勝負をと思ったことも有るが、今は田舎の再生事業に心が動いてましてね。
 姫、自分を雇ってくれる余裕は有りますか?」
「余裕と言いますか…、ご自身で自分の給料を稼いでみせるぐらいの気持ちが有る方なら歓迎します。」
「そっか、安定した大企業に就職出来たら色々安泰なのだろうけど、大企業の子会社とは言え小さな会社では不確定要素も…。」
「だから面白いんだよ、俺達レベルで過疎地の再生を考える人は少ないだろ。
 俺は、チャレンジしたいと思って株式会社花鈴への就職を決めたんだ。」
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