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正月-292 [花鈴-30]

「正月らしく楽しい話ばかりですが上手く行くのでしょうか、姫にとって不安材料は無いのです?」
「勿論全ての事業を成功させられるとは思っていないけど、今取り組んでる、若しくは取り組もうとしてる事業は、相乗効果を生み出せるし協力体制を作れると思うの。
 毎日同じ仕事で良い人がいれば、それでは飽きてしまう人もいるでしょ。
 大切なのは働いて下さる方々が仕事に対して前向きに取り組める環境を作り出すこと。
 既に月水金はお年寄りのお世話、火曜は経理事務、木曜は畑仕事って人もいるのよ。
 以前はお年寄りのお世話だけしていた人なのだけど、違う仕事もする様になりお年寄りとの話題が増えたとか。」
「そっか、お年寄りの中には畑仕事をしてた人もいるだろうし、事務の現場では違った情報が入って来るのだろうな、噂話とか。」
「デイサービスだけで働いていたのでは接する人が限られるものね。
 人脈が広がるのは楽しいかも。」
「従業員が仕事に満足して働いているのなら問題は起きにくいのかな?」
「うん、株式会社花鈴の人達を見てると皆さん明るくて。
 姫に残念な思いをさせたくないと仕事に前向きな人ばかりですよね。」
「他社を出し抜いてまで金儲けを考える必要は無く、社員に充分な給料を払った上で黒字ならそれで良い、株式に対する配当は気にしなくて良いと言うのが大株主の意向だからな。
 上場している大企業では通らない理屈だろうが、株主は全員姫の家族。
 それを知り自分は一気に大企業志向が失せた、社畜には成りたくないよ。」
「大社長は社内起業の可能性を熱く語ってたよな。
 ご自身は先代の事業を引き継ぐ形で社長となられたが、意欲と力の有る若者にはチャンスをと。」
「姫はお父さまのそんな発言をどう捉えているのです?」
「あら、私も意欲有る若者の一人よ。」
「若過ぎるけど…、そうだよな…。」
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