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正月-290 [花鈴-29]

「誰が見ても可愛いと言うデザインは難しそうね。
 売れてるキャラクターはプロが創り上げたものでしょ?」
「おいおい、今調べてみたけど、さるぼぼの歴史は奈良時代に遡るみたいだぞ。
 それが歴史と共に衰退したが飛騨地方に残っていた。
 それに目を付けた人が売ってみようと。
 今では飛騨のお土産としてすっかり定着したみたいだな。」
「花鈴姫人形もさるぼぼに負けないデザインにしないと、シンプルなのが良いのかしら?」
「シンプルなのをベースに色々考えても良いんじゃない、姫のファンは増えているのだから。」
「携帯のストラップレベルから、一緒におねんねしたくなる物までとか?」
「うちのお婆ちゃんは認知症なんだけど、お喋りする人形と寝てる、需要は有るかも。」
「お喋りする人形?」
「音声認識機能が有って、行ってきま~す、て声を掛けると、それに対し応えてくれてね。
 会話が噛み合わないことも有るのだけど、お婆ちゃんのお気に入り、話し相手にもなってるよ。」
「へ~、そんなのが…、でも音声認識技術は進んでるから驚くことでもないか。」
「姫の声でそんなのが作れたらここのお婆さん達には売れそうだな。」
「そんなレベルでは利益が出ないでしょ。
 私を利用して利益を上げようと言う考え方は否定しないけど…、売れるレベルの人形を作れるのかしら?」
「姫さえ宜しければ自分は動いてみたいと思います。
 株式会社花鈴に入社内定している身ですので。」
「何か案が有るのですか?」
「まあ、それなりに知り合いがいます。」
「彼女は芸術大学だものな、彼女はここへの移住に前向きなのか?」
「勿論さ、自然豊かなこの地なら創作活動にプラスになると話してたよ。」
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