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正月-289 [花鈴-29]

「間伐材は間伐の手間を考えたら安過ぎるのですよね?」
「ええ、間伐材を加工して大きな付加価値を付けないと難しいの。
 様々な案を試し始めてはいるのだけど、まだ結果が見えてないのよ。」
「どんな案が出てるのです?」
「簡単なのは輪切りにしニスを塗って花瓶などを置く台にするとか、インテリア小物を中心に。
 ただ沢山売れそうな商品ではなくて…。」
「試してみるしかないとか?」
「そうなの、春にオープンさせる店で売りたいから皆で考えているのだけど。」
「それなら我々も協力しないとな。」
「自分は置きたい物を置く台が既成品ではサイズが合わなくて苦労したことが有ります。
 オーダーメイドの小さな机とか…、沢山売れなくても、それなりの価格設定が出来ると思うのですがどうでしょう?」
「オーダーメイドか…、職人に充分な給料を払えるだけの注文を集められれば有りかしら。」
「オーダーしたイメージと違うとかクレームが入りそうな気がする。」
「確かに、でも、そんな時は作り直し、ボツになった商品は別で売ってみるとか。
 ボツ作品でも強気の価格設定をすれば売れるかもだろ?」
「何故に強気?」
「世界に一つだけの手作りだぞ、高く売ろうとした方が有難味が増すんだ。
 全然売れなかったら値下げすることになるとしても、充分な利益の出る価格から勝負だな。」
「薄利多売の逆を行くのか、姫はどう思われます?」
「観光地の商売で薄利多売を考えるのは愚か。
 飛騨のさるぼぼみたいなのがここに有れば良いのだけどな~。」
「あれはそれなりの売り上げになっていそうですものね。」
「さるぼぼに対抗して花鈴姫人形ってどうかしら?」
「悪くないかも、問題はデザインか…。」
「ご利益は何かでっち上げれば良い、商売繁盛や過疎地の再生を中心にすれば、デザイン的に難が有っても売れるかも。」
「ちょっと待ってよ、そのデザイン的に難が有ると言うのは嫌だわ。」
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