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正月-283 [花鈴-29]

「今日の料理は悪くないと思う、調理担当は誰?」
「今日の料理長は笹山です、料理が趣味だそうで。」
「笹山さん、忙しいかも知れないけど、メニュー作りに協力してくれないかな?」
「勿論協力します、味が姫のお口に合ったのなら嬉しい限りで。」
「私に合わせて下さったのですか?」
「姫は普段から美味しいものを食べていそうですが、安くても美味しいものをと考えました。
 姫に合わせて置けば、他の連中は自分で調味料を加えれば良いのですから。」
「いや、市販のおせち料理でも、辛すぎたり物足りなかったりするが、今日の料理はこのままで問題無く美味しい、料理は習ったのか?」
「うん、料理教室へたまに。」
「料理教室って女性ばかりでは?」
「男性もいるが女性は多いよ、自分は年上の女性にモテまくりでね。」
「俺も行こうかな。」
「お前は不器用かつ笹山程のルックスでもないから無駄だと思うぞ。」
「いや、不器用さが母性本能をくすぐるかも、本気だったら紹介するよ。」
「料理を覚える気もない下心だけの男ってどうかしら?」
「そうそう、笹山君との差を思い知らされるだけかもね。」
「い、いや料理は覚えたいと思ってる、就職したら一人暮らししたいと思ってるんだ。」
「笹山は一人暮らしを目指してる訳では無いのだろ。」
「ああ、自分の作った料理を人に食べて貰いたいからな。
 家族に美味しいと言って貰えるのが励みで新しいメニューに挑戦してるよ。」
「でも、料理人を目指してる訳では無いのだろ?」
「仕事としてより趣味として続けて行きたいかな。」
「笹山さんなら理想の夫になりそうね。
 彼女と別れたら、次は是非私と。」
「そんな予定は無いよ、定期試験が終わったらラブラブな所を見せ付けてあげるから覚悟しといてね。」
「う~ん、それで焦らされて変な男と、なんてことにならない様に気を付けないと…。」
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