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正月-280 [花鈴-28]

「働く意味ですか…。」
「詐欺集団はただお金が欲しくて働いてるのよね、人に迷惑を掛けてるなんて考えもしないで。」
「だな、詐欺で無くても、それに近いことをしてる企業は存在するし、ブラック企業も。
 そう考えると、例え給料が悪くても人に喜んで貰える仕事をしたいと思う。
 ここの竹林作業はボランティアだけど、綺麗になって行く竹林の姿に感謝され、色々考えさせられたよ。」
「姫は、その辺りをボランティアでは無く普通に収益を上げられる仕事にと考えているのでしょ?」
「ええ、でも、竹林の再生は筍や竹の販売を軌道に乗せられても割が合わないと思うの。
 だからボランティア頼りにせざるを得なかったのだけど、そこから仲間の輪が広がった。
 その価値はお金に代えられないと思いませんか?」
「まさしく価値観が絡む訳だ。
 俺達の活動を理解出来ない奴もいるからな。」
「私達はこれから社会人として自立して行く必要が有るのだけど、どう自立して行くかなのよね。
 お金の為だけに働くなんて残念だわ。」
「でも、お金は必要なんだよな、自立して行くには。」
「良い形で自立したいよな。
 それで、起業の案を持ってる奴はいるのか?」
「起業か…、人に使われるのは嫌だからと起業したけど失敗して借金を作った叔父さんがいたりするが…。」
「株式会社花鈴の子会社として起業資金を用意して貰う代わりに、事業計画を精査して貰うことになるのだから失敗しにくいと言うことでしょ、姫?」
「ええ、起業の計画がいい加減だったら勿論認められないけど、良い企画だったら皆で支えることが出来るわ。」
「仲間がすることなら喜んで応援したいね。」
「中学生の頃は小さなカフェの店長何てのを夢見たことが有ったな…。」
「色々考えたのか?」
「当時はね、今考えると自分の趣味に走り過ぎていて難しいと思う。
 でも…、可能性として、もっと現実的な店を考えてみたいかも、中学生の頃にぼんやり考えてたのは利益とか度外視したものだったのよ。」
「カフェか…、国道沿いにお洒落な店が有れば嬉しいかもだけど、ここに来るのはお年寄りが中心で後は家族連れ、若者向けの店は難しいかもな。」
「お年寄りでも入り易いお洒落カフェは難しいのかしら?」
「そうだな、外装を古民家とか昔のイメージにして、提供するメニューに工夫を凝らせば、後は如何に情報発信して行くかだけな気がするぞ。」
「有かな…。」
「良かったら、その話を進めてみてくれませんか。
 実現出来なくてもその過程を映像で記録、それを編集すればそれなりに見て頂けると思うのです。」
「姫、企画を進めて行くだけの資金は心配いらないと言うことですか?」
「ええ。」
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