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正月-279 [花鈴-28]

「起業か、考えた事なかったな。」
「野心家で無いと無難に就職を考えるものね。」
「でも就職した先で、新たな事業を起こす様に指示されたとしたらどうだ?
 会社員として起業、株式会社花鈴の社員としてならリスクは無いよな。」
「姫、こんな感覚で良いの?」
「ええ、私は恵まれた環境に有るから株式会社の会長をやってるけど、新たな事業にトライしたいと考えても資金面などのハードルが越えられない人は多いと思うの。
 子会社の社長とは言え大きな利益を出すことに成功したら、報酬はそれなりに増える。
 そんなチャンスを提供するのが恵まれた環境に有る私の義務とも考えていてね。
 勿論、成功する見込みの無い様な事業計画にお金を出すことは出来ないけど。」
「ですよね…。」
「大企業に就職出来たとしても…、上司の顔色を伺いつつ地道に働くよりは面白そうだよな。」
「姫はどんな構想をお持ちなのですか?」
「春にオープンさせる店の一角を利用しての起業でも良いし、全く違った分野での起業でも構わないから、皆に成功を感じさせる企画で有ればってとこね。
 まずは一件だけでスタート、資金は私のお小遣いで…、五百万ぐらいが限度だけど、それ以上の初期資金が必要でも皆が成功を確信出来る企画で有れば資金調達を考えても良いわよ。」
「初期投資を短期間で回収出来れば良いのですよね?」
「理想はね。
 短期間で回収出来たら、次の事業資金に回せ、それが社会の活性化に繋がるでしょ。
 起業して成功するのは簡単なことでは無さそうだけど。」
「株式会社花鈴は順調に見えますが。」
「会長や社長だけで無く優秀な人が社員にいるのですよ、ね、姫。」
「ええ、違う現場なら何十億円とかを動かせる人が、地味な作業をしています。」
「それは微妙な気もしますが…。」
「何十億を動かす仕事より、我が社での地道な作業の方が充実感を得られると話しておられましてね。
 働く意味を報酬の金額だけで語るべきでは無いのだとか。」
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