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二学期-235 [花鈴-24]

「真面目な学生達は花梨を手伝ってくれそうなのか?」
「ええ、低学年の子達に対する個別指導は今まで以上に充実させられそうよ。
 勿論、教え過ぎないことに気を付けて貰いながらね。
 始めは何でも教えれば良いと考えていた人がいたけれど、それは子どもが自分で発見する喜びを奪っているのだと気付いてくれたの。
 子どもが自分で発見する機会を作るのは難しいのだけど、大切なことでしょ。」
「ああ、花鈴の様に色々気付ける子ばかりではないからな。」
「そこを導いて行くのが教師本来の役目なのよね。
 二年生の担任は考えもしてないけど。」
「その先生と学生との関係は?」
「表面的には互いに良好な関係を装っているかな。
 でも、教師は学生からの質問に応えきれてないと感じるし、それは学生さん達も思っているみたい。」
「現役の教師として、学生を指導する立場でもあるのだろ?」
「自分より偏差値がかなり高い学生と対峙することに臆しているみたいなのよ。
 教師にも色んな人がいるってことね。」
「自信を持って教壇に立っている人では無いのだな。
 教員不足が進んでるから、今後も質は落ちて行きそうだが…。」
「富国強兵がらみで教育に力を入れてた明治時代とは違うのよね。
 目先のことしか考えない政策により、国を支える筈の若者が結婚や子育てを諦め、少子化を早めただけでなく、将来この国を支える子ども達の教育環境を疎かにし、一票を投じてくれるお年寄りばかりを大切にして来た政治家は、社会問題を起こした宗教団体でさえ選挙の為には大切にし…。
 本当の意味でこの国の将来を見据えられてる政治家っているのかしら?」
「だよなって、花鈴は何時の間にそんなことまで学習したのだ?」
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