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夏休み-213 [花鈴-22]

「僕は前の学校で一応成績優秀者、それに満足と言うか学校の授業に疑問すら抱かなかったのですが、今になって考えてみると自分にとって無駄な時間の長い授業を受けていました。
 まあ、クラスの中には九九を覚えるのに苦労してた子もいたので仕方なかったとは思うのですが、ここでの学習の様に自分からどんどん先へ進んで行けてたら、大賢者程では無いにしても自分の力はもっと伸びていたかもと思うのです。」
「でしょうね、簡単な授業ばかりでは頭を使う必要が無いからボケてしまってもおかしく無いわ。」
「はは、さすがにボケると言うのは。」
「でも、ご老人が認知症になったりするのは生活環境が微妙に関係してるかもと、デイサービスの人が話してたのよ。
 脳に対して適度な刺激が必要ってことね。
 私達子どもにとっては、それが成長に繋がるのだから、簡単過ぎる授業ばかり受けてたらとてつもなく損してることになると思うの。
 ここへ転校して来なかったひろっちは存在しないから簡単には比較出来ないけど。」
「英語はLilyから、数学は大賢者から刺激を受け、社会のことは姫から、油断してると絵に描いた梨に馬鹿にされそうで…。」
「国語は勝てそうにないけど、数学や理科は絵梨に勝ててるのでしょ?」
「はい、負けられません。」
「ライバルの存在は大きいみたいね。」
「姫は彼女のことをライバルだと思っているのですか?」
「そうね、ゲーム感覚で学習に取り組んでいる時は負けられないもの。
 そう言う存在は必要なものだと感じているのでしょ?」
「あまり意識していませんでした。
 でも国語で勝とうと思うとこれまでの読書量に差が有るからかなり厳しいと思います。」
「作文なら勝てるかもよ、小学五年生らしい作文を書ければ。」
「そうか、子どもっぽい文章を書けば良いのですよね。
 彼女の作文は大人みたいな文章で、小学五年生が書いたとは思って貰えないのだとか。
 ChatGPTをフル活用してると思われてしまうのでしょうか?」
「拘りが有るのよ、彼女には。
 その点、私には拘りがないからChatGPTをフル活用してもバレない様に出来るのだけどね。」
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