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夏休み-211 [花鈴-22]

「僕はここへ来てから、ずっと違う世界で暮らしている様な感覚です、前の学校は退屈でしたし、友達だと思ってた子もいましたが今思うとそれは微妙で…。」
「友達の定義そのものが微妙だものね。」
「それですよ、そんな話の出来る子はいませんでした。
 そもそも自分も含めて定義と言う言葉すら知らない子ばかりだったと思います。
 転校して来たら姫を始め難しい言葉を普通に使う子がいて。
 姫から習うより慣れろと言われましたが、父は、この半年で語彙力が随分伸びたと褒めてくれました。
 姫や大賢者達と話してたら当たり前のことかも知れませんが、絵梨さんやLilyの影響も大きいと思っています。」
「ふふ、絵梨だけさん付け、まだ絵梨は怖い存在なの?」
「怖くはないですよ、ただパワーに圧倒され気味で。」
「絵梨のお父さんも出会った頃の小枝子さんに圧倒されてたそうよ。」
「えっ?」
「彼曰く、小枝子さん流の自己アピールだったのだとか。
 プロポーズも小枝子さんからだったそうでね。」
「へ~。」
「もし、絵梨から告白されたらどうする?」
「えっ、そんなことは大学生達の話で自分には関係の無い話かと…。」
「私達も成長して行くのだから、そんなに先の話ではないかもよ。」
「大切な仲間で友達、えっと…、それ以上の関係は全然分かりません。」
「だよね、私達はこれから沢山のことを経験し学んで行くのだから、悩むことも出て来るのかな。」
「今の姫に悩みは無いのですか?」
「そうね、検討課題は有るけど悩みとは違うと思うわ。
 色々検討してみた結果、まだ恋のことは良く分かってないし。
 私はまだ子どもなのよ。」
「確かに年齢的には子どもですが…。」
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