SSブログ

夏休み-208 [花鈴-21]

「姫、大規模なイルミネーションを売りにする施設とは張り合えませんので、まずは地元で細やかに盛り上がる程度が良いですよ。
 細やかさの中で特色が出せたら自ずと広がって行くと思います。」
「そうですね、特色としては小規模水力発電、後は各チームの工夫次第ですが、七つの作品と言うのもアピールポイントになりますよね?」
「七つのコース全部を光の道しるべが案内してくれると言う構想は悪く無いです。
 昼間より迷いにくかったりして。」
「ええ、何とか幻想的な雰囲気を醸し出せたらとも思っています。
 電気だけでなく、ローソクや灯油を使った照明も検討しているのですよ、雨や雪でも大丈夫な様にし、防火対策としてそれらを水盤に浮かせるとかも。
 一コース五百メートル程度としても、灯りはそれなりの数が必要になりますので、それぞれのコース毎に特色を出せたら、デートスポットに出来るかもです。」
「冬場なら寒い代わりに蚊の心配は無いですが、問題は…、猪とか?」
「清六おじさん達が頑張ってくれてるいますから、人の住むエリアで猪と出会うことは殆ど無くなってるみたいですよ。
 移住者の中からも罠猟に取り組んでくれる人がいまして、彼らの活動が活発になっているのです。
 七つのコース、つまりはそれぞれメインのイルミネーションエリアと、その前後の道中に猪が出没しない様に、既に作戦が立てられていまして。」
「それでもゼロに出来るのでしょうか?」
「現時点で取り組んでいるエリアではゼロになっています、その外側のエリアでの一掃作業が上手く行ってるのですよ。
 絵梨のお父さんの発案であちこちに設置した簡易センサーが功を奏しましてね。
 簡易的な物とは言えそれなりに手間も費用も掛かったそうですが、私達が猪と突然ご対面する確率はかなり低くなってるそうです。」
「費用はどこから?」
「小枝子さんは、ただ情報発信しているだけでなく、そこから人脈を作り提案し実験していますので協力者は多いのです。
 猪に対するここでの取り組みが成功したら、他の地域でも実践されるのです。」
nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。