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夏休み-202 [花鈴-21]

「お父さまが後押しを?」
「与えられた環境に満足すること無く、自分から出来ることを見つけ出し、困難なことにも立ち向かって欲しい、と言うのが父から大学生へのメッセージなのです。
 この地の活性化を一つの目標として掲げていますので、彼らは仲間を安心して増やせる考えたのです。
 限り有る予算を如何に有効に使うか、また予算増額に向けた取り組みや自分達で稼ぐ、これは彼らにとって実習でも有るのですけどね。」
「成程、経済学部生にとっては学んだ知識を活かす場なんだ。
 建築を学んでいる学生も居るのかな?」
「ええ、真面目なサークルですが大学を越えて参加者が増えて行きそうだと聞いています。
 建築を学んでいても実際に家を修復したり建てたりする機会は少ないそうで、大学の卒業設計として取り組み始めている人も居るのだとか。」
「うちの学生達もサークルに加入するかもな。
 小規模水力発電装置を設置してから最低でも一年間は継続してデータを取りたいからね。
 季節毎の水量変化が発電にどの程度の影響を与えるか、また維持管理にどれだけの労力を必要とするかは設置場所によって大きく異なるのだよ。」
「落ち葉の季節は大変そうです。」
「ああ、桜並木に設置したのは秋だけでなく桜の花が散る時にも労力が必要でね、お花見の後は発電施設の掃除なのさ。」
「工場などの機械も維持管理の基礎は掃除だそうですから同じ、ただ屋外だから季節や周辺の環境が影響するのですね。」
「でもね、ここに設置したタイプは水中に沈めて有るから水に浮くゴミは上を素通りするんだ、大したこと無い様でこれがなかなか効率的なのだよ。」
「小さくても優れものなのですか?」
「本体部分をゴミが通っても素通りし易くとか色々工夫した結果、このサイズでは現時点での完成形なんだ。」
「イルミネーションを灯すには充分な発電が出来るのですよね?」
「この程度の水路が有ればどこにでもイルミネーションを設置出来るが、見るのが猿だけでは寂しいかもな。」
「う~ん、畑に害をなす動物を寄せ付けない為の施設を設置し易くなるかも知れません。」
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