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夏休み-184 [花鈴-19]

「花鈴姫が悩みを聞き出して相談に乗って上げるのですか?」
「無理無く事情を話してくれたらだけど、単に怠けて単位を落としたのならどうかしら。
 説教なんてしたこと無いし、無意味な気がするわ。」
「姫に説教されたら嬉しかったりして。」
「そこまでの変態ではないでしょ、多分…。」
「でもまあ、一応仲間なのだから力にはなって上げたいの。
 明日は私達の撤収を手伝って貰うことになってるから、作業をしながらでもそれとなく聞いてみるね。」
「他人の不幸は蜜の味なのよね、姫もですか?」
「そう言う感覚では無いのだけど絵梨とは人間の様々な感情について話し合って来まして。
 他人の不幸を喜ぶ感覚も、自己の優位性を確認出来るからで人の持つ本来の感情だと思うのです。
 でも水野さんの問題は、その解決の課程で私達にとってもプラスになる改善策を提示出来ないかと思います。
 皆さんは学歴社会で生きて行かれるのでしょうが、私は学歴を気にしてませんので。」
「失礼しました。」
「いえ、単に腹黒いだけですよ。」
「自分の利益を意識しながら相手の問題を解決しようと言うことなのですか。
 水野が怠けていて単位を落としたのだとしても、姫にとっては彼が使える男かどうかが問題なのですね。」
「ええ、例え大学を中退しようが会社にとって役に立つ存在なら雇用します、逆に言えばトップレベルの大学を卒業していても仕事の出来ない人は要らないのです。」
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