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夏休み-109 [花鈴-11]

「ええ、先生も大変だと思うわ。
 公立小学校では、授業で説明する前から理解してる子と説明しても理解出来ない子に対して同じ内容の授業な訳でしょ、色々な意味で子どもの成長する機会を減らしているだけなのよ。」
「花鈴姫は実験的な取り組みで教頭先生の下、低学年に教えることもしているのですよね。」
「基本、算数の力が上位の子と下位の子を私と絵梨で面倒見て、中間の子達は担任の授業を受けてるのだけど、少人数で取り組んでるからか下位の子でも、直ぐに中間レベルに上がったりしてるの。
 先生の授業はぼんやりしていても進んで行くのだけど、ずっと見ていて上げると学習に取り組む気持ちが変わるのよ。
 能力が低い訳では無く学習に取り組む気持ちの弱かった子は直ぐにね、特別支援学級の子では無いから。」
「花鈴姫達に見て貰えたら嬉しいでしょうね。
 能力の高い子に対してはどんな感じなのですか?」
「おだててどんどん先へ進んで貰っています。
 こちらとしては如何に先へ進ませるかを考えるのが面白いのですよ。
 ゲーム感覚で問題に取り組んでいますから。」
「他の子のペースに合わせた授業では味わえない感覚なのでしょうね。
 私も退屈な授業時間をもっと有意義なことに使いたかったと思っています。
 高校生になって充実した授業を受けられる様になったのですが、それまでは…。」
「高校は自分のレベル合った学校だからですか?」
「ええ、進学校に合格出来ましたので。」
「その辺りがここの問題なのです。
 ここの人が進学校へとなると通える学校が無くて寮生活とかになるのです。
 ここから通える高校は定員割れ、誰でも入学出来るレベルだそうで。」
「あっ、そうですよね、私が住んでる所には高校が幾つも有り進学校の中から選べたのですが、ここだと…。」
「しかもここに有った高校の分校は数年前に廃校になったのよ。」
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